宝塚市立病院 妙中 信之 病院事業管理者

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救急、がん診療のさらなる充実を

【たえなか・のぶゆき】 1973 大阪大学医学部卒業 同大学第一外科研修医 1974 大阪府立病院外科・心臓血管外科・麻酔科医員 1978 大阪大学医学部附属病院集中治療部助手・講師・助教授 2003 宝塚市立病院診療部長(集中治療救急室室長) 2007 同病院事業管理者(宝塚市立病院長を兼任) 2015 同病院事業管理者に専任

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◎「断らない救急」を掲げて

 宝塚市立病院は、地域の基幹病院の役割を担う急性期病院です。

 私が病院事業管理者になったのは2007年。当時は医師不足で救急車の受け入れを断るケースもありました。しかし市民からの救急対応への要望はとても多く、当院では「断らない救急」を目標に掲げることにしたのです。

 以後は医師、看護師を確保し、ハード面も充実させました。2007年時には年間2000台程度の受け入れだった救急車も、現在では約4800台を受け入れています。

 近年、救急搬送される高齢者が激増しています。合併症を抱えている人も多く、どの診療科に回していいかが分からないケースも多いです。救急準備をしていない病棟に緊急入院となる症例も多く、受け入れ側が混乱をきたすことも多々ありました。そこで2015年、救急医療センター病棟を開設。これによって、より円滑な救急体制の構築を実現できました。

 当院の強みの一つに消化器内科の充実が挙げられます。当直医とは別に消化器内科医が常駐し、地域の病院や救急車から直接、医師に連絡が入るシステムを構築しました。現在では年間約1万2000例の内視鏡検査を実施しています。

◎「たらいまわし」の減少

 阪神南北医療圏域(尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町)の7市1町では「h‐Anshin むこねっと」を導入しています。これは複数の医療機関をインターネットで接続し、診療情報を共有して地域全体で医療に取り組むシステムです。

 このシステムの導入により、いわゆる患者さんの「たらいまわし」の数は、かなり減ってきました。

◎医療体制の充実

 事業管理者に着任した当時、「病院の特徴はなんですか」と問われると答えに窮していました。そこで、病院の特徴を打ち出すことが大事だと考え、宝塚市の協力のもと「血液浄化療法センター」「緩和ケア病棟」「消化器内視鏡センター」を開設しました。

 また医師会や地域の医療機関などとの連携を進めました。その結果、2013年には地域医療支援病院の承認を受けることができました。

 承認を得るために、3カ月かけて宝塚市医師会の開業医約170の診療所にあいさつに行きました。そうすると紹介率が従来の約40%から約60%まで、逆紹介率も約90%に増えました。

 地域の病院を熱心に訪問する姿を職員も見てくれていたのでしょう。院内で「地域医療のためにがんばろう」という機運が高まったと感じました。とても大変な取り組みでしたが、やって良かったと思っています。

◎放射線治療棟を開設予定

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院内には地元の人の作品を展示するギャラリーがある

 今後は救急の更なる強化と、がん診療の充実に力を入れていくつもりです。

 当院には放射線治療装置がありません。実は阪神淡路大震災前に市が予算を計上してくれていましたが、震災被害で、それどころではなくなってしまいました。そこで計画はいったん、頓挫(とんざ)してしまったのです。

 しかし私たちが頑張る姿を市はちゃんと見てくれていました。今年度、予算を計上してもらい、間もなく放射線治療棟の建設が始まります。2018年には、治療を開始する予定です。ここには、化学療法室を増床して移設し、また、終末期だけでなく、早期のがん患者さんからの相談も受けられる「がん相談」の機能をさらに充実させて、がん診療を総合的に進めるがん治療センター(仮称)を設置する予定です。

 日本人の2人に1人ががんになる時代です。また治療後に再発する人も増えています。地域で放射線治療ができるようになることで、予後を改善し、治癒だけではなく症状緩和にも貢献できると考えています。

◎スタッフの意見を尊重

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 事業管理者になって最初に着手したのが職員の待遇改善です。当時、兵庫県の公立病院の給料ランクがマスコミから発表されたのですが、当院は最下位でした。

 これでは優秀なスタッフがそろうはずもありません。そこで給与の歩合制を採用。当直料を上げて、その他の手当も見直しました。そうすることで、職員の働き甲斐が出て、離職率も減っていきました。

 スタッフの意見を尊重することも大事です。緩和ケア病棟、血液浄化療法センターは、スタッフの要望を受けて開設しました。新しい医療機器導入の要望があれば、極力応えるようにしています。

 新しい機器を導入することで、モチベーションも高まるし、責任感も芽生える。長期的な視点でみると採算も取れていくものですね。

 病院運営が軌道に乗りかけてきた頃でしょうか。宝塚市から議会での講演依頼がありました。病院の現状と、今後力を入れていきたいことを市民や市や議会に知ってもらえる絶好のチャンスだと考え、そこで自らの考えやビジョンを一生懸命語りました。

その講演が、とても好評だったようです。以後、市内のさまざまな組織から、講演依頼が届くようになりました。行く先々で、病院の話をさせていただき、当院の評判はずいぶん改善していったと思います。

 数多くの講演を経験したからでしょうか。よくしゃべるようになった気がします。でも本当の私は、とても無口な人間なんですよ(笑)。

宝塚市立病院
兵庫県宝塚市小浜4-5-1
TEL:0797-87-1161(代表)
http://www.city-hospital.takarazuka.hyogo.jp


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