医療法人成和会 ほうせんか病院 岡 博子 理事長・院長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

病院らしくない病院で感動と喜びのある医療

【おか・ひろこ】 大阪府立天王寺高校卒業 1978 信州大学医学部卒業 大阪市立大学医学部附属病院第3内科研修医 1980 同大学院生理学第2講座 1984 同医学部第3内科研究医同助手 2006 大阪市立十三市民病院副院長 2014 医療法人成和会ほうせんか病院理事長・院長

 大阪府茨木市にあった医療法人から事業譲渡を受け、2012年に開設された医療法人成和会ほうせんか病院。2015年4月には、同市内に新築移転した。同院の岡博子理事長・院長に、病院の取り組みや医師としての歩みを聞いた。

c9-1-1.jpg

―新病院の特徴を教えてください。

 院長に就任した2014年、当院は「自立・自由度の高い医療で社会に貢献する」という法人理念を掲げて新たなスタートを切りました。旧病院は阪急電鉄「茨木市駅」前にあり、立地は良かったのですが敷地面積は現病院の三分の一程度。かなり老朽化が進んだ5階建ての病院でした。

 そこで翌2015年に現在の場所に新築移転をし、現在は、医療療養病棟92床、障がい者施設等一般病棟80床、緩和ケア病棟48床、全220床の慢性期病院として、老年医療と終末期医療を提供しています。

 入院患者の平均年齢は約80歳で、認知症や体を動かすことができない方がほとんどです。その方々に人生最後のときまで快適に過ごしていただきたいとの思いから、効率だけではなく、生活の質を高める生活支援型医療を目指しています。

 患者さんやご家族、職員にとっても癒やしの空間になる「病院らしくない病院」をつくるために、照明の明るさ、角度、設置場所にも心を配りました。

 また、各フロア、各部屋のインテリア・配色・レイアウトのすべてに違いを持たせることで、従来型の病院が持つ画一的で堅いイメージを払拭(ふっしょく)しました。

c9-1-2.jpg

エントランスホール

 エントランスホールでは毎月、クラシックやジャズなどのコンサートを実施。患者さんとご家族だけではなく地域の方々にも楽しんでいただくための企画として実施しています。

 4階の緩和ケア病棟は、ご家族がお見舞いに来られたときも自宅にいるような雰囲気の中、楽しく快適に過ごせる空間をイメージしてつくりました。カラオケルームや家族で一緒に入浴できるお風呂などを備えています。

 2階は療養病床で、3階の一般病棟には、私が10〜20年ほど診ている肝疾患(肝臓がん、肝硬変、慢性肝炎など)の患者さんも入院されています。高齢などの理由で他院では肝がんの治療ができなかった方もかなりおられます。

 約160㎡の広さを持つリハビリルームでは、PT(理学療法士)6人、OT(作業療法士)3人、ST(言語聴覚士)2人、脳血管疾患やがんの患者さんへのリハビリに取り組んでいます。ベッドから動かせない患者さんの拘縮(こうしゅく)を防ぐために病室内でリハビリを受けていただくこともあります。

 私の専門は肝臓病ですので、80列CTや血管造影装置など、最新の機械を導入して肝がんの治療にも取り組んでいます。

 週に1度、大阪市立大学医学部放射線科の医師にも来ていただいて、肝動注、肝動脈化学塞栓療法などのIVR(画像下治療)、ラジオ波焼灼療法も実施しています。

 手技的にも機器的にもハイレベルな医療の提供を目指しています。

―どうして医師になろうと思ったのですか。

 「普通のお嫁さん」になりたくなかったからです(笑)。当時、女性が一人で生きていくためには何か資格が必要だと思い、医師を目指しました。しかし、医学部に進学したいと父に話すと、「女が医学部なんかに行ってもしゃーない!どうせ結婚や出産ですぐに辞めるやろ」と、ものすごく反対されました。父は大阪市立大学で法医学教室の教授を三十年間務めており高校生のころ、解剖を見学しましたが、私は法医学よりも「生きた人の病気を治す」ことに興味を持ちました。

 しかし病理解剖により本当の死因を知って、その後の治療に役立てたいとの思いから、自分が担当した患者さんが亡くなると、「診断や治療が適切だったかどうか確認したいので勉強させてください」とご家族にお願いしました。一般的に、解剖の承諾を得ることはなかなか難しいのですが、約九割の方に解剖をさせていただくことができ、大変勉強になりました。

―書かれた論文が米国肝臓病学会発行の国際的専門誌「Hepatology」に掲載されたこともあるそうですね。

 1990年のことです。肝硬変の患者140人を追跡して1983年から5年間定期的に超音波検査を実施。その結果、肝硬変の患者が年率7%の確率で肝がんを発症することや、定期的な超音波検査とAFP・PIVKAⅡの腫瘍マーカーでフォローすれば、早期発見できることがわかりました。今では医療の常識ですが、当時はまったく知られていなかったのです。

 大学院へ進学したいと言ったとき「あんたは女やから必要ない」と反対していた教授も、この研究成果を高く評価してくれて「あんたが男やったらなぁ~」と信頼してくれるようになりました。そして、「論文書くんやったら海外をねらえ」とHepatologyへの応募を後押ししてくれたときはうれしかったですね。

―今後の展望は。

c9-1-3.jpg

 当院は、慢性期病院として医療・看護の質を高め、提供していくことがもっとも重要だと考えています。そのためには、職員の育成にも力を入れていきたいですね。

 赴任後すぐに担当した患者さんで、ガリガリに痩せて、話すこともできない状態で当院に来られた方がいらっしゃいました。引き継いでから食事やリハビリなどを考えてお世話をしたところ、手足を動かしたり、お話ししたりできるようになり、一年後には体重が当初の19kgから35kgにまで増えました。

 一人ひとりの患者さんにここまで手をかけることは、正直大変ではありますが、その分、喜びとやりがいの大きな仕事です。これからも職員みんなで家族のような気持ちを持って患者さんに向き合い、元気になっていただくお手伝いをしていきたいと思います。

医療法人成和会 ほうせんか病院
大阪府茨木市西福井2-9-36
TEL:072-641-7088(代表)
http://seiwa-h.org


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

楽採で医師の採用を「楽」に!

博多水引×九州医事新報

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2017年7月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 70.地域医療構想をどう策定するか
松田晋哉[著]

Twitter


ページ上部へ戻る