共立蒲原総合病院 西ヶ谷 和之 院長

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患者さんが安心できる病院づくりを

静岡県立清水東高校卒業 1982 群馬大学医学部卒業 同大学脳神経外科入局 1985 山梨医科大学第一病理学教室助手 1987 同大学脳神経外科 助手 1996 同講師 1999 共立蒲原総合病院脳神経外科科長 2004 同院副院長 2015 同院院長

 世界文化遺産となった富士山の麓にある共立蒲原総合病院。2010年から富士市、静岡市、富士宮市の三市が運営する。2015年に就任した西ヶ谷和之院長に地域での役割などについて聞いた。

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―三市が共同運営する病院です。

 1955(昭和30)年10月、静岡県庵原郡蒲原町(現在の静岡市清水区蒲原)に当時の二町二村立の病院として生まれました。当時の許可病床は54床と少なかったのですが、地域の拠点病院としての需要も増え、だんだん病床数も増えていきました。その後、1983(昭和58)年に現在地に移転。1998(平成10)年には、新館ができ、現在の建物となりました。

 2010年から三市での運営となり、管理者は富士市長、副管理者は静岡市長と、富士宮市長です。

 三市の市議会議員で構成する「病院組合議会」に、予算や決算などを最終的に決定してもらわなければなりません。三市それぞれに、要望や方針があるので単独の自治体病院に比べると少し大変かもしれませんが、困った時には三市に助けてもらえるという良い点もあります。

―特徴は。

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富士山の麓にある

 2010年より、地域のニーズ、また国の方針もあり、急性期病棟以外に地域包括ケア病棟・療養病棟を設け、現在は計235床を持つ、ケアミックス型の病院となりました。また、介護老人保健施設「芙蓉の丘」を併設し、訪問看護ステーションも運営しています。地域のニーズに応えているうちに自然にそのような機能が増えていきました。

 また、予防医学にも力を入れており、健診バス6台を所有し、地域の企業健診にも積極的に対応しています。

 外来患者の居住地域を調べてみますと、富士市や静岡市清水区、富士宮市など広い範囲から患者さんが来ていることがわかりました。

 予防医学から急性期、回復期、慢性期、そして訪問看護まで一つの病院で完結するということは、地域のみなさんにも安心していただける環境だと思っています。

―課題は。

 2004年にスタートした新医師臨床研修医制度によって地方の病院では、医師不足が進行しています。当院も同様の影響がありました。現状は、医師確保も好転していますが、引き続き大きな課題です。

 人口10万人あたりの医師の数は富士医療圏(富士市・富士宮市)で約139人。静岡県の約194人そして全国平均234人と比較すると、ずいぶん少ない数です。

 ケアミックス型の病院といっても、一次、二次の救急も積極的に受け入れています。急性期治療はおろそかにしたくはありませんので、医師の数は今以上に充足させたいですね。

 ただ、大都市とは違い当院のような病院で必要とされているのは、幅広い疾患を診ることができる医師です。

 逆に言うと、当院ではさまざまな疾患を診ることができる点が強みだと若い先生には伝えています。また、当院はMRIやCTなど医療設備はそろっていますので、その点では、若い先生方にとっても満足できる環境だと思います。

 医局全体の雰囲気も良好ですし、科をまたいで相談できる雰囲気もあります。そのような雰囲気づくりやシステムづくりが私の役割だと考えています。

 しかし、非常勤の医師だけの診療科もありますので、常勤の医師に代えるような努力をしていきます。患者さんにとっても、同じ医師に診てもらう方が安心だと思います。

―院長就任から1年半。感じていることは。

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院内に飾られているのは有名俳優さんたちのサイン

 看護師、メディカルスタッフが非常に勉強熱心です。当院のような規模としては、めずらしく、認定看護師が8人もいます。

 医師が少ないことで逆に「医師の代わりはできないが、それを補うことをしなければ」という考え方が培われて、そのような風土になっているような気がします。

 私自身、ここでは「こうしなさい、ああしなさい」とあまり指示しなくとも、みんなが自主的に動いていると感じます。

 そのおかげだと思うのですが、外部から来られる非常勤の医師の先生方から「この病院にまた来たい」「ここで働きたい」という声を多く聞きます。スタッフ同士の連携もいいのでしょう。

―地域との連携は。

 国の方針に従って、在宅医療を進めていく上でも、開業医の先生方との連携は欠かせません。一方で、かかりつけ医になる医師が増えないと在宅医療は難しいと思います。

 富士市の場合、富士市医師会が「在宅医療の会」を作っており、そこを中心に動いています。

 実際、在宅医療に熱心な医師も増えていますので、その先生方と連携を密にとりたいと思います。また、かかりつけ医の先生方が、安心して在宅医療に取り組める体制作りに貢献していきたいと考えています。

―医師になるきっかけは。

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 子どもの頃、アメリカのTVドラマ「ベン・ケーシー」に憧れたのがきっかけでした。

 たまたまですが、当院は富士山が見える病院ということや、富士市がロケ地誘致に力を入れていることもあり、ドラマや映画の撮影場所として使われることが多い地域です。患者さんに楽しんでいただこうと思い、院内に俳優さんから贈られたサインも飾っていますよ。

 また、職員がそれを刺激に仕事を楽しんでくれたり、医療に、より深い興味を持ってくれたりしているようなので、それも良い効果だと思います。

共立蒲原総合病院
静岡県富士市中之郷2500番地1号
TEL:0545-81―2211(代表)
http://www.kanbarahp.com/


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