町立奥出雲病院 鈴木 賢二 院長

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存在意義のある奥出雲病院に

島根県立松江北高校卒業 1989 島根医科大学卒業 第二外科入局 1995 町立仁多病院(現奥出雲病院)外科医長 2015 同院長

 島根県の東南端に位置する仁多郡奥出雲町。同町唯一の病院として住民の健康を支える奥出雲病院。今年4月に就任した鈴木賢二院長に話を聞いた。

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ー就任から半年、取り組んでいることは。

 これまでは、当院の医師として臨床に携わってきましたが、院長になって、全く別次元の立場になりました。経営的な側面での責任の重さを痛感しているところです。

 就任前から想像はしていたのですが、医学教育しか受けていない私にとっては、臨床医とのギャップは大きく、これを克服するためにも取り組まなければいけないステップの一つとして、経営の勉強を始めました。

 日本病院会の通信教育で、病院経営管理士の資格取得を目指すコースを受講しています。これは、2年のコースで、2週間のスクーリングやレポート提出、半期ごとの試験などがあります。講座が進むにつれ、これまで知らなかったことを知ることができますし、講座で出会った方とのつながりができ、研修会では、直接話す機会もあります。どこも経営に苦慮しているようです。

 これまで、公立病院は民間病院に比べて経営的には厳しさが足りなかった部分もあるようです。しかし、現在、われわれを取り巻く環境はかなり厳しくなっています。病院長が先頭になって、激動の時代を乗り越えていかなければいけないと覚悟しています。

ー今後の見通しを。

 国が病院に求める姿に対して、いかに短い期間でそれぞれの病院が組織を変革していくのかというのが一番の課題です。

 これに伴い、早速当院でも4月から地域包括ケア病床への転換を進めています。併せて、診療単価や看護必要度など、国の施設基準を安定的に満たすように現場の職員を教育することも大事です。

 また、地域包括ケアシステムの構築は、病院だけで進めることは難しく、介護福祉施設、そして行政が一体となって取り組む必要があります。

 これまでは奥出雲町でも、病院、福祉施設、行政がばらばらに職務を行っていましたが、行政と一体となって取り組むための仕組み作りを始めています。今年7月からは、その受け皿となる組織も作り始めました。

 また、奥出雲町では介護施設のスタッフ不足が大きな問題となっています。そこで、病院も一緒になって人材を確保することはできないか、といった具体的な対応も検討しています。

 次の半年では、地域医療計画に基づいて、病床数をどのように減らすのか、計画を進めなければなりません。

 病床数を減らすというのは、大変デリケートな問題ですから、「地域が求める病院像」「病院が将来に渡って永続できる体制」「病院がどのような医療を提供できるのか」という三つの課題が、なるべく一致するものを探っていきたいと考えています。

ー課題は。

 やらなければならないことは、多数ありますが、中でも、私たち奥出雲病院の存在意義を、今一度明文化することの重要性を実感しています。約10年前にも当院の理念を言葉として具現化しようとしましたが完成しませんでした。

 しかし、当院が社会から変化を求められている今だからこそ、職員の行動を統一する核となる理念が必要だと感じています。われわれは何のために存在するのか。それをわれわれのよりどころにしようと考えます。理念をベースに組織の文化が成熟していくのではないでしょうか。

ー消化器外科医として取り組んだことは。

 私は、消化器外科の専門医ですが、40代半ばで日本臨床腫瘍学会のがん薬物治療専門医を2011年に取得しました。

 がん治療においては、外科がメインとなって抗がん剤治療を担うのが国内では主流です。しかし近年、抗がん剤治療が進歩し、分子標的薬など、新たな抗がん剤が次々に登場していますので、見よう見まねで治療を行っていていいのかということを自問自答していました。

 そこで、一念発起し、2年間もう一度学び、臨床腫瘍学会がん薬物治療専門医に挑戦したのです。私の2番目の専門医の資格ということで、大変自信になりました。

 この資格は、一つの臓器だけではなく、臓器を横断的に考えることを得意としています。おかげで、消化器だけではなく、肺がん、血液の腫瘍、泌尿器のがんなどの幅広い抗がん剤治療についての知識を得ることができました。

 奥出雲町はもちろん、松江や出雲を中心にしたこの地区では、二つの専門医を取得している医師もめずらしいようで、今年の夏には、東京で報告会を行うことにもなりました。臨床でそういう経験があったので、病院長として、通信教育で学ぶことにもあまり抵抗はなかったのかもしれません。

ー心がけていることは。

 経営の神様と呼ばれるドラッカーは、みんなで仕事に取り組む時には、優先するポイントは一つが理想的で、最大でも二つと言っています。

 また、一人が頑張りすぎても、そのスピードにみんながついて来ることができなくなることも多いので、あまり無理をして頑張りすぎないよう意識しています。

 仕事を大切にするために、プライベートも大事にしています。テニスが趣味で、松江市にある、錦織圭選手が通っていたテニススクールに通っているんですよ。

 また、ランニングも続けていて、毎年島根県で行われる「隠岐の島ウルトラマラソン」にも参加しています。一昨年は12時間程度かかりましたが、100kmを完走することができました。

 病院経営の研修の際に講師の方が「頑張ったら何とかなりますよ」と声をかけてくださったのが、心に残りました。あせらずに頑張っていきたいと思います。

 1年半後の2018年4月には、診療報酬と介護報酬の同時改定を迎えますが、次の改定は、病院や福祉施設にとって大きな転機となりそうです。病院運営を軌道に乗せた状態で、その日を迎えたいと思います。

町立奥出雲病院
島根県仁多郡奥出雲町三成1622番地1
TEL:0854-54-1122(代表)
http://www.okuizumo-hospital.jp/


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