今月の1冊 - 61.「患者さんと医療系学生のための 臨床薬理学入門」

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笹栗俊之[ 著]
九州大学出版会/172頁
2000円+税

 本書は、九州大学大学院薬理学分野教授である著者が、教べんをとる九州大学で講義(薬理学総論)した内容をまとめたもの。

 入門書として、患者を含めた一般読者にも理解しやすいように薬理学を解説している。「臨床」薬理学としたのは、医療系学生が学ぶ薬理学は臨床に直結すべき、という著者の信念を反映した。

 第1章の「薬とは何か」。"薬と毒はどこが違うのですか"との問いにどきりとさせられる。著者が「本書を書くにあたっての大きな目的」とするこの項では、「薬と毒に本質的な違いはない」「たいていの薬草は毒草でもある」と続く。

 7章の「薬害」では、サリドマイドやキノホルム(スモン)、ソリブン薬害について、医療者として真摯(しんし)に振り返るとともに、薬害の本質は人災であると喝破する。

 じつは、堅い書名におそれをなしてぎりぎりまで読むのを避け続け、書評用にと無理やり読み始めた(すみません)。にも関わらず、すぐに引き込まれたのには理由がある。

 麻薬・ドラッグの話(8章)や、薬の飲み合わせの話(9章)、さらに製薬の裏話(14章)から、「専門家の選んだ薬だから、良い薬ですよね?」(15章)まで、まさに現在進行形のテーマ設定が好奇心を刺激したからだ。

 本書執筆の背景には、チーム医療が常識となりつつある現在、医療チーム全員が基本的薬理学の知識を持つべきなのに、養成課程で薬理学をきちんと学ぶ機会がほとんどないという危機感があるという。

 1章の趣旨に沿うならば、「薬とするのも毒とするのも、使う人間しだい」ということだろうか。難しい薬の話なんて読む気にならない、と敬遠せずに、患者目線でぜひ手に取ってほしい一冊だ。
(大山=本紙副編集長)


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