村上外科病院 副院長 / 久留米大学整形外科 村上 秀孝

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スーパーラグビー日本チーム「サンウルブズ」のチームドクター / トップでの経験を地域にも還元

【略歴】
愛光高校卒業 1992 久留米大学医学部卒業 同整形外科講座入局2001 同助教(膝関節・スポーツ グループ) 2003 社会保険田川病院整形外科医長 2007~ 村上外科病院整形外科部長 2012~ 久留米大学整形外科講師
【スポーツ医学関連資格】
日本体育協会スポーツドクター、日本整形外科スポーツ医学会評議委員、福岡県体育協会医科学委員、ISAKOSmember、ICIS(Immediate Care In Sports)*国際スポーツライセンス
【スポーツ・競技関係の活動】
2002 日韓サッカーW杯 カメルーン代表 リエゾンドクター(大分)2002 Under21ラグビーW杯日本代表 帯同ドクター(南アフリカ)2003 Under21ラグビーW杯日本代表 帯同ドクター(イングランド)2004 ラグビー高校日本代表 ニュージーランド遠征 帯同ドクター2005 ラグビー日本代表  2007 W杯 アジア予選(韓国) 2006 ラグビー高校日本代表 オーストラリア遠征 帯同ドクター2006~ 国体 福岡県選手団 帯同ドクター2008~2011 ラグビー日本代表 チームドクター2016 Super Rugby Sun Wolves チームドクター

 スーパーラグビーに参戦する日本チーム「サンウルブズ」のチームドクターの一人が福岡県内にいる。田川市にある村上外科病院の村上秀孝・副院長。ラグビー日本代表のチームドクター経験もある、先駆者だ。

 2020年には東京五輪が控え、スポーツ熱が高まる国内。村上副院長が考えるスポーツ医の役割と魅力とは。

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予防、治療、安全管理

 サンウルブズでは、けがをした選手の治療や、各選手がもともと所属しているチームのドクターとの連携、コーチングスタッフへの選手の状況の説明や復帰時期のアドバイスなどさまざまなことをしています。

 一番時間を割く部分は、安全管理。予防、治療、ドーピング対策です。

 スーパーラグビーは、2〜7月がシーズンで、そのすべてに一人で帯同することは難しい。そのため3人のドクターが、交代しながらチームと行動を共にすることになっています。

 私は今年4月、南アフリカに行きました。選手、スタッフ含め30人ほどのメンバーが一緒に行動しますので、1日に1人ぐらいの割合で体調不良があります。発熱、脱水、脳振とう、膝靭帯(じんたい)断裂、骨折...。内科、外科の区別なく、それらを診断、治療しました。

 入院や手術での治療が必要な状態のときには、帰国させます。交代選手の招集、時差などの問題もありますから早く的確な判断が重要なのです。

 ドーピング対策として、「口に入れるものには責任を持つように。内服薬・サプリメントなどに不安があれば必ず確認」と選手に伝えていますし、注射や点滴にも十分注意しています。

 毎年1月、世界反ドーピング機関の新しい規則が施行されます。それまで禁止薬物ではなかったものがリストに入る場合もある。テニスのマリア・シャラポア選手などもそれで違反になりました。常に新しい情報を持っておくことが必須です。

選手の近くで「旬」を考えながら

 当院にはサッカー、野球、バレーボール、フィギュアスケートの選手も来ています。スポーツドクターは、そのスポーツを知らなければならない。野球には野球の体の使い方、柔道なら柔道なりの体の使い方がありますから。そういう意味でラグビーは自分がプレーヤーでもあったというアドバンテージがあったと思います。

 選手を診るときに忘れてはならないのは「旬」があるということ。今、日本のトップで活躍する女子体操選手は10代前半が多い。一方、ラグビーの男子トップ選手は、20代後半から30代です。

 「旬」の時期は、多少頑張らなければならない場合もあります。そのことを加味して治療しなければなりません。

 むやみやたらと「安静に」と言わず、できることを見つけて、選手やコーチに伝えることも大切です。腰が痛いなら、腰に負担が少ない患部外トレーニングを指導するのも、スポーツ選手を診る上で大事なことです。

 一般的なわれわれが普通車だとすると、スポーツ選手はF1マシンみたいなもの。メンテナンスが必要でそのためには、コーチなどの協力が必要です。待ちの姿勢だけでは、誰もついてきてくれませんから、スポーツドクターにはコミュニケーション能力も欠かせませんね。

世界での経験を地元に還元

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 チームの勝利に貢献できること、選手のためになることは、スポーツドクターの大きな喜び、やりがいです。

 また、高気圧酸素治療やPRP療法(自己多血小板血しょう療法)などの最新の治療、トップレベルの選手を見ていることでさまざまなアドバイスもできますし、PRP療法は今後、当院でもできるようにする予定です。

 今年9月、「筑豊スポーツリハビリ研究会」が立ち上がりました。医師、スポーツ薬剤師、理学療法士、アスレチックトレーナーなどでつくるグループで、私は代表世話人を拝命しています。

 筑豊(田川市、飯塚市、嘉麻市、嘉穂郡、鞍手郡、田川郡、直方市、宮若市)のスポーツは、もっとよくなる。強くなれるはずです。医療を地域の子どもたちにどう還元するのか、みんなで考えていきたいと思っています。

 スポーツドクターとして活動するために所属する久留米大学医学部整形外科の志波直人教授からサポートをいただいています。当院の院長である父、スタッフ、患者さん方も快く送り出してくれます。

 ですから、この経験を患者さんに還元しているつもりですし、これからも続けていきたいと思っています。

 2019年には、アジア初開催となるラグビーW杯が開かれ、九州は福岡、熊本、大分が開催都市になっています。まずは、2019年に向けて選手強化、大会医事運営、帯同、ドーピング対策などに取り組み、成功させること。その先に、2020年の東京五輪があると思っています。

医療法人鷹ノ羽会村上外科病院
福岡県田川市魚町12 番5号
TEL:0947-44-2828


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