宅老所よりあい代表が講演 / 「老いて死ぬ」を考える

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―福岡市医師会講演会で―

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村瀬孝生氏

 雑誌「ヨレヨレ」で知られる、「宅老所よりあい」の代表、村瀬孝生氏が9月10日、「安心して老いるために~認知症介護の現場から~」をテーマにアクロス福岡(福岡市)で講演した。

 「第5回地域包括ケア推進のための市民向け講演会『活用しよう!!在宅療養のサポーター!!』〜在宅であなたらしく生きる」(福岡市医師会主催)の一環。ユーモアを交えながら、日々の介護で感じたことや認知症の人との向き合い方を語った村瀬氏。市民ら534人が熱心に耳を傾けた。

【村瀬氏の講演概要】

 福岡県朝倉市出身の入所者で、キヌさんという人がいた。

 入所当初の課題は、いかに食事をしてもらうか、だった。職員が食事を与えても絶対に食べようとしなかったキヌさん。しかし、ある日、入所者がうなぎ丼をすすめると、渋々ながらも食べるようになった。

 それ以降、めきめきと元気を取り戻していく姿を見て、口から食事をとることの重要性を痛感した。

 キヌさんは夕方になると決まって「お父さんとお母さんが、おうちで待っている」と自宅に帰ろうとした。付き添いの私(村瀬氏)が手を握ろうとすると「昼間に男性と手を握っていると、近所でどんな噂をされるか分からない」と拒否された。

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534人の市民で満員となった会場

 加齢により記憶力が落ち、時間と空間の概念が乱れて子どもになったり、女学生になったりとタイムスリップのような状態だったのだろう。

 キヌさんが自宅に帰ろうとしたときは、疲れて歩けなくなるまで、毎回、付き合った。それを繰り返していくうちに地域の人が覚えてくれ、キヌさんが勝手に外出しても連絡をくれたり、手を引いて連れてきてくれたりするようになった。

 キヌさんのような人は病院では認知症の診断を受ける。だが病気ではなく、お年を召して、お迎えが近くなっただけ。

 キヌさんは96歳で亡くなった。家族からは「よりあいのおかげで充実した人生だったように思う」と感謝の言葉をいただいた。

 今後も「老いて死ぬこと」を高齢者から学びながら、この仕事を続けていきたいと思う。


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