愛媛大学医学部附属病院 乳腺センター 亀井 義明 センター長

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若い組織だからこそ、できることがあります

1995 愛媛大学卒業 愛媛大学医学部附属病院第一外科入局2003 愛媛大学大学院医学系研究科(分子病理学教室)2007 松山市民病院 2011 がん研有明病院乳腺センター愛媛大学大学院医学系研究科肝胆膵・乳腺外科学講師 愛媛大学医学部附属病院乳腺センターセンター長

 愛媛大学の乳腺センターでは乳腺疾患全般に対する診断、治療に取り組んでいる。

 特に乳がんの治療については診断から手術、薬物療法、放射線療法、および、その治療後のフォローアップなどに力を入れる。

 亀井義明センター長に取り組みを聞いた。

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ー今年1月に「トモシンセシス」(3Dマンモグラフィー)を導入されたそうですね。

 愛媛県でトモシンセシスを導入している施設はまだほとんどありません。トモシンセシスは乳房を圧迫したままX線管を回転させることによって短時間に複数枚の低線量の撮影を行い、それをコンピュータで3Dのように再構成する装置です。3D画像だと乳腺濃度が濃い患者さんの病変部や乳腺構築の乱れが確認しやすいなどの利点があります。

 また、従来の2Dマンモグラフィーでは病変に見えていたものが、トモシンセシスで見ると正常乳腺が折り重なって陰影に見えただけだということが分かります。

 トモシンセシスの導入で偽陽性を減らすことによって、余計な生検をしなくて済むようにもなりました。

ー10月1日(土)、2日(日)に「第13回日本乳癌学会中国四国地方会」の会長を務めます。

 今回のメインテーマは遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)などの「遺伝医療」です。メインのシンポジウムで取り上げています。

 中四国地区の遺伝医療は一部の医療機関を除いてやや遅れていると言わざるをえません。遺伝性乳がん・卵巣がんについて積極的に勉強していただくことで、中四国全体の遺伝医療のレベルアップにつながればと思っています。医師、遺伝カウンセラーだけではなく看護師や薬剤師など多職種の方に是非遺伝医療に対する意識を持っていただけたらと思っています。

 現在、中四国だけでなく、全国的に臨床遺伝カウンセラーが不足しています。当院には1人。愛媛県全体でも4人しかいないのが現状です。臨床遺伝カウンセラーの養成が望まれます。

 現場においてはまず乳がん患者さんの中で、実際に遺伝性乳がん卵巣がん症候群のリスクが高い方の拾い上げが重要で、当科では、まず乳がん患者さん全員に対し臨床遺伝カウンセラーが家族の病歴の聞き取りをし、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の疑いがないかどうかのスクリーニングをします。

 次に本格的な遺伝カウンセリングを受けた方がいいと思われる人には、その旨を提案。提案を受け入れた方の遺伝カウンセリングをします。カウンセリングを受けた人の中で、希望があれば、BRCA遺伝子検査を実施することにしています。

―今後力を入れていく取り組みはなんでしょう。

 臨床では先ほどお話しした乳がん卵巣がん症候群をはじめとした家族性腫瘍診療、そして形成外科との協力体制による乳房再建です。

 当院は日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会の乳房再建用エキスパンダー・インプラント実施認定施設です。人工物を使った乳房再建や広背筋皮弁、腹直筋皮弁など、自家組織を使用した乳房再建のいずれにも対応可能です。乳房切除後の乳房再建を希望される方は、形成外科専門医との共同診療にて乳房再建手術を受けていただけます。

 このほかにも薬物療法、放射線療法、前述の遺伝医療など、患者さんの病状に合わせたきめ細やかな診療をしています。

 臨床に関しては、一つひとつ課題に着手してきた結果、いい循環になってきたと思います。2011年秋に2名で始めた当センターですが、医師数も年々増加し、急速に増えてきたニーズにお応えしてきております。

 しかしながら大学の使命はやはり研究で、基礎研究と臨床研究を積極的にやっていくこと。今後は研究にさらに力を入れなければならないと考え

 3年前から複数の基礎医学教室とのコラボレーションを順次始めましたが、これは今後もさらに発展していく予定です。実際にいくつかの良い結果が出てきています。

―女性医師が多いそうですね。

 現在、常勤医7人、非常勤1人、研修医1人、合計9人の女性医師が在籍しています。

 当センターに来る女性医師は、とてもモチベーションが高いですね。私たちは、主に女性の疾患を対象にしているので、医師として、女性であることの強みを、より生かしたいとの思いが強いのかもしれません。

 子どもがいるメンバーもいます。仕事と家庭の両立は大変だと思いますが、外科医として、乳腺科医として向上したい気持ちがモチベーションとなっているのでしょう。

 みんな本当に頑張ってくれるので、頭が下がります。

 当センターは若手や研修医でも活発に自分の意見を言い合える環境です。古い慣習がないので、可能なのでしょう。歴史がある教室では難しいのかもしれませんね。若い組織だからこそだと思います。

 全員が「乳腺センターをよくするためにはどうしたら良いか」「患者さんのためにどうしたら良いか」を常に考えています。

 先輩の面倒見のよさも特徴でしょうか。普段は和気あいあいとしています。しかし、時には自分の時間を大きく犠牲にしてでも後輩の指導にあたるのです。先輩たちのモチベーションが高く、仕事に対して一切の妥協を許さないので、後輩もそれを見習い、ついていっているようです。

第13 回日本乳癌学会中国四国地方会
会期:2016 年10 月1日(土)、2日(日)
会場:松山市総合コミュニティセンター
会長:大住 省三(国立病院機構四国がんセンター乳腺外科)、亀井 義明(愛媛大学大学院医学系研究科肝胆膵・乳腺外科学)
愛媛大学医学部附属病院
愛媛県東温市志津川
TEL:089-964-5111(代表)
https://www.hsp.ehime-u.ac.jp/

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