徳島大学病院がん診療連携センター 埴淵昌毅 センター長

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がん患者の就労支援に尽力

徳島県立富岡東高校卒業 1993 徳島大学 医学部卒業 徳島大学医学部附属病院 2009 米国MD アンダーソンがんセンター 2012 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部呼吸器・膠原病内科学分野准教授 2015 徳島大学大学院医歯薬学研究部呼吸器・膠原病内科学分野准教授徳島大学病院がん診療連携センター長

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―センター長になられてからの1年間の取り組みは。

 昔に比べると、がんの早期発見が増え、5年生存率は50%以上です。今は、「がん=死」ではありませんし、「がん=失職」という状況も少なくなりました。がんと診断されても就労を維持できるような対策が必要とされています。そこで、国の「がん対策推進基本計画」の中にもある「がん患者の就労支援」の取り組みの一つとして、がん治療と就労の両立に役立つ情報をまとめた冊子「がんの治療をしながら仕事を続けるとき」(下部写真)を作りました。

 治療と仕事を両立する上で直面する、入院費用や傷病手当金、介護休業などの問題と、その対応に関する詳しい情報が盛り込まれています。

 徳島県に限られた内容ではありませんので、県外の方の評判もよく、問い合わせも多いようです。全国でも例がなく、先進的な試みだったのではないかと思います。

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入院費用や傷病手当金、などの情報が一冊にまとめられている

 また、週に1度、社会保険労務士が患者さんの相談に乗る窓口もつくりました。

 一方で、雇用者の意識改革も必要です。私が会長を務める「徳島県がん診療連携協議会」では、定期的に雇用者向けシンポジウムを開催しています。この8月の「徳島県がん相談員研修会〜働くがん患者を支える相談支援〜」では、がん患者の就労を積極的にサポートしている企業の担当者に講演してもらいました。

 また、9月25日(日)には、「知って安心!〜がんの診療連携と相談支援〜」と題した市民公開講座も予定しています。

 当センターは、六つの部門に分かれていて、部門長を務めているのは、いずれも徳島大学の教授です。

 「がん研究・研修部門」では、がんに特化した研究と医療従事者の養成をしています。

 「がん緩和・こころのケア部門」は、がん緩和ケアに加え、がんサロンを運営したり、患者さんの心のケアに努めています。また、「がん登録部門」では、がん登録や予後調査を、「がん化学療法部門」では、新規がん化学療法レジメンの審査を行っています。

 「がん診療連携・相談部門」では、市民公開講座や医療従事者を対象としたセミナーを企画・運営したり、地域の病院との診療連携を推進したりしています。

 「がん診療企画部門」で毎月第3月曜日に開催している「徳島大学病院Cancer Board」は、県立中央病院、県立三好病院、県立海部病院、徳島市民病院と当院をネット回線で結んだテレビ会議システムです。対処が難しいがん症例について議論し、お互いの情報を共有することで、スキルアップを図っています。

―専門は呼吸器内科だそうですね。

 徳島県のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)死亡率は、全国ワースト1位です。私は徳島県がん教育総合支援事業協議会に参加していることもあり、禁煙啓発のため、学校側からの要請があれば、中学校や高校に出向き、生徒たちに喫煙の有害性について話をすることもあります。

 担任の先生からは、普段は授業中に居眠りをする子がいると聞いていましたが、喫煙とがんとの関連性や、禁煙のメリットについて、データを見せながら話をすると、どの学校の生徒もみんな熱心に講義を聴いてくれます。がんに対する関心の高さを感じました。

 生徒本人はもちろんですが、家族や親戚に喫煙者がいる場合、自宅などで「たばこを吸うとがんになりやすくなるよ」「禁煙したらこんないいことがあるよ」といった会話をしてくれることも、副次的な効果があるのではないかと期待しています。

 徳島県のCOPD対策として、2014年、独自の検診システムを構築し、運用を開始しました。検診によって多くの方がCOPDと診断されるなど着実に成果を挙げており、県民の間でも認知度が高まっているようです。

―今後の課題は。

 緩和ケアを充実させることです。徳島県には緩和ケアに携わっている医師や病院が少ないため、県内の拠点病院で、緩和ケア研修会を定期的に開いています。年々、受講者も増えていますが、まだまだ十分ではありません。専門医や専門看護師の育成もしていきたいと思います。

 在宅医療に取り組むかかりつけ医の先生方と、大学病院との連携も大事です。今年から徳島大学病院と県下の在宅療養支援診療所とのカンファレンスを始めました。これまでは、お互い顔の見えない関係でしたが、今では、現状の問題点や要望について忌憚(きたん)なく意見交換できるようになりました。そこで出た意見を吸い上げ、改善していく。これからも継続していきたいですね。

 また、当院は県立中央病院と隣接していて、二つの病院を結ぶ連絡橋が設置されています。自由に行き来することもでき、よりよい協力体制が構築されています。

 その中で開設された「徳島がん対策センター」は、県内の拠点病院にかかっていないがん患者さんやご家族が抱えるさまざまな問題や心配事を解決する窓口になることが役割です。そこのセンター長も併任していますので、こちらの活動にも力を入れていきたいと考えています。

徳島大学病院
徳島市蔵本町2丁目50番地1
TEL:088-631-3111(案内)
http://www.tokushima-hosp.jp/

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