大阪南医療センター 齊藤正伸 院長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

専門性をもった地域医療支援病院へ
分野ごとにセンター化、診療機能の充実・強化を図る

大阪府立天王寺高校卒業 1979奈良県立医科大学医学部医学科卒業 大阪大学医学部附属病院整形外科研修医 1997 大阪大学医学部整形外科講師 2013 大阪南医療センター副院長 2016 同センター院長

 大阪南医療センターは、1945(昭和20)年に国立大阪病院として創設されて以来、70年を超える歴史を誇る。2004年からは独立行政法人国立病院機構に組織変更し、大阪南部の基幹病院として「急性期医療」を提供してきた。

 近年は、重点医療として「免疫異常疾患(リウマチ、アレルギー、膠原病など)」や「循環器疾患」「がん疾患」「骨・運動器疾患」、および「成育医療」について分野ごとにセンター化し、診療機能を充実・強化することを目指している。

 今年4月に院長に就任した齊藤正伸院長に、地域医療構想をみすえた今後の運営方針を聞いた。

c14-1-1.jpg

◎専門領域を充実

 当センターには、第一に地域の急性期医療を担うという使命があります。2次医療圏の地域医療支援病院として地域の方々に高度な医療を提供することはもちろんですが、これからはもう少し専門領域に特化したいと考えています。

 たとえば、センターでは、免疫異常疾患のうち、リウマチを専門に診ています。骨・運動器疾患については人工関節や脊柱管狭窄症、循環器については心筋梗塞を24時間受け入れています。脳の領域ではt‐PA治療(経静脈的血栓溶解療法)も24時間受け入れています。

 がんの拠点病院でもあり、そういった専門領域の柱を立てて重点的に取り組んだ結果、かなり遠方からも患者さんに来ていただけるようになりました。

 最新の動きとして、IVR(InterVentionalRadiology / 画像下治療)センターを作って低侵襲手術手技に取り組んでいます。脳外科の手術件数が少し減りつつありますが、放射線科医を中心に血管内治療に重点を置きたいと思います。

◎医療圏のギャップ

c14-1-2.jpg

敷地内にある、附属大阪南看護学校。学生宿舎も併設する

 河内長野市は人口11万人ほどで、市の面積の大半を山間部が占めており、大阪府内でも人口減少が進んでいる地域のひとつです。

 南河内2次医療圏に属しますが、同じ医療圏内の松原市、藤井寺市、羽曳野市は、公共交通機関などを使うと天王寺などの大阪市内に出るほうが便利です。

 一方、隣接する和歌山県橋本市や奈良県五條市からは患者さんがたくさんいらっしゃいます。公共交通機関などによって利便性にギャップができるためで、線引きされた医療圏と患者さんの動きが完全に一致しているわけではありません。

◎患者支援センター

c14-1-3.jpg

センター敷地内にある、「大阪陸軍幼年学校の跡」碑。大正期にいったん廃止された陸軍幼年学校は、国際情勢の不安定さを受けて昭和15(1940)年に再興された。13 ~15歳で入学した男子、総勢約1200 人が3年間の教育を受け、陸軍士官学校などに進学した

 急性期病院として、地域の医療機関との連携を大切にしています。紹介率は67%で、逆紹介率は100%を超えました。

 現在の外来患者数は、一日平均約800人ですが、以前は1000人を超えていた時期もありました。地域との役割を明確にするため、かかりつけ医に診ていただくように啓発を続けていますので、徐々に数が減って、適正数に近づいていると思います。

 どこの急性期病院も在院日数の縮減に頭を悩ませていると思います。当院も10年かけて、17、18日だった在院日数を12、13日までコントロールすることができました。その分、病床稼働率が少々低迷しています。

 入退院センターを置く病院も増えてきましたが、当センターは患者支援センターを作って、そこで入院中や退院後の患者さんのスケジュール、いわゆる「パス」を説明しています。

 たとえば手術に際して、必要であれば術前検査や麻酔科も含めた他の診療科の受診スケジュールを調整し、画像検査も日程をコントロールしています。これによって術前の日数が1日ほど減りました。

 退院が近づくと医療ソーシャルワーカー(MSW)や地域支援の看護師がそれぞれ病棟を訪問して、患者さんやご家族と退院後の打ち合わせをします。

 地域医療構想にむけて、病床数の適正運営も進めています。520床あった病床を470床まで減らしており、さらに見直す予定もあります。

 この地域の人口動態から推測すれば、急性期病床は400床程度と見込まれます。地域医療構想では急性期と高度急性期をあわせて1000床が過剰で、回復期は1500不足していると計算されています。どこの病院が削減するかは別として、ここも少し過剰だと思います。

 もっとも、いきなりケアミックスや地域包括ケア病棟を持とうというつもりはなく、少しずつ規模を縮小しながら急性期医療を提供するほうが現実的でしょう。

◎働きがいのある病院へ

c14-1-4.jpg

 大阪府のなかでも、大阪南部地域は医師が不足しています。センターでも耳鼻科の医師がおらず、週1回非常勤の方に来ていただいています。眼科や心療内科も非常勤医師ですし、常勤医師がいない診療科が複数ありますが、医師を集めるのがなかなか難しい。

 今後は、病院の特色を出して働きがいのある病院を作ることで医師不足を解消し、さらに診療科を増やしてある程度の規模を維持できるのではないかと考えています。

 2018年に延期された新専門医制度で、当センターは内科の基幹病院になる予定です。

 新専門医制度にさまざまな問題があるという主張もわかりますが、研修システムのことを考えれば、やると決めた以上は早く始めてほしいのが本音ですね。初期研修医を抱えてますから、見通しが立たなければ対応のしようがありません。

 センターでさらに強化しなければいけない機能は、総合診療科やERのような、ゼネネラリストの育成だと思います。

 それぞれの科でスペシャリストの医師はいますが、ゼネネラリストを育てられるベテラン医師はなかなかいません。名医すなわち良い教師とは限りませんからね。

独立行政法人 国立病院機構大阪南医療センター
大阪府河内長野市木戸東町2丁目1番
TEL:0721-53-5761(代表)
http://www.hosp.go.jp/~ommedc/index.html

九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

博多水引×九州医事新報

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2018年7月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 82.さいごまで「自分らしく」あるためにホスピスの現場から
さいごまで「自分らしく」あるためにホスピスの現場から

Twitter


ページ上部へ戻る