医療従事者目指す学生現役医師や患者に学ぶチーム医療
医療従事者を目指す学生が、現役の医師やがんの体験者とともに、チーム医療について考える「未来プロジェクト2016」が、8月27日、28日、天神ビル(福岡市中央区)で開催された。
認定NPO法人ハッピーマンマの主催で年1回開き、今年で9回目。大学医学部、薬学部などの学生50人のほか、現役の医師、薬剤師らによる世話人など30人も参加した。
プログラムは、チーム医療、医の原点、コミュニケーションなどのテーマで企画。1日目には、学生が九つの班に分かれて、がん体験者の話を直接聞くというプログラムが行われた。
乳がん患者の会であるあけぼの福岡(深野百合子代表)などの患者会会員が参加。ある班では、「なぜ公の場で体験を話そうと思ったのか?」という学生の質問に「がんによる苦しい体験を他の方に味わってほしくない。話を聞いて検診を受けるきっかけにしてほしい」などと答えていた。
理学療法士を目指しているという専門学校生の牧慧斗さんは「学校ではできない経験。病院での実習がもうすぐ始まるので、その前に体験者と話せて良かった。参加できなかった友人にも伝えたい」と話した。
同プロジェクトの卒業生のなかには運営の実行委員となったり、就職後も世話人として携わったりするメンバーもおり、職種や勤務先を越えてネットワークが広がっているという。ハッピーマンマの大野真司代表理事(がん研有明病院乳腺センター長)は「10年間で500人の参加者を目指してスタートした企画で今年483人になった。来年には達成し、卒業生にも集まってもらいたい」と話した。