呼吸器・乳腺内分泌外科 紺谷桂一 准教授

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切除後も、美しく
乳房再建センターと連携した、がん切除後のQOL 向上の取り組み

石川県立金沢二水高校卒業 1983 滋賀医科大学医学部医学科卒業 同医学部にて研究に従事 同第2外科臨床見学生 同医員、研修医 1986 愛知県がんセンター第2外科レジデント 1992 滋賀医科大学大学院医学研究科修了 医療法人高須病院外科 1996 滋賀医科大学第2外科医員 1999 同助手 2004 香川大学医学部附属病院呼吸器・乳腺内分泌外科講師 2007 同外来化学療法室長併任 2010 同呼吸器・乳腺内分泌外科准教授

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◎増加する乳がん患者

 これまで、日本人女性の20人に1人が乳がんになるといわれていましたが、現在では12人に1人に増加しています。

 明らかに日本人女性の体格の向上が乳がん増加の原因です。乳がんは女性ホルモンに関連した疾患です。例えば、体格が良くなって初潮時期が早くなったり閉経が遅くなると、性ホルモンに身体がさらされる年月が長くなり、乳がんの発生率が上がります。

 食事の内容も欧米化して乳製品や肉類を食べることが増えていますし、日本の女性を取り巻く環境全体が乳がんの発生率を押し上げているのでしょう。

 香川県内の乳がん検診(マンモグラフィー)受診率はこれまで25%程度だったのですが、昨年は30%を超えました。

 受診をうながすキャンペーンが効果を上げており、香川大学乳腺内分泌外科出身の法村尚子医師(高松赤十字病院)も、香川県のゆるキャラ「うどん脳」とピンクリボンを組み合わせたピンバッジを使った啓発活動を行っています。

◎患者さんに安心感を

 香川大学医学部附属病院の乳がん診断における特長として、MRI検査でがんの広がり診断を正確に行い、切除範囲を限定していることがあげられます。

 さらに、治療においては、がんの切除後に学内の乳がん治療・再建センターと協力した乳房再建に力を入れています。

 患者さんが乳房再建を希望される場合、再建センターでは形成外科の医師が再建手術を行います。患者さんそれぞれに合わせて、どのような再建方法がいいのか、たとえば人工物を使った再建がいいのか、自家組織を使った再建がいいのかなどを判断します。

 これは年齢などさまざまなファクターで決定されますが、再発リスクが高い患者さんなどは再建手術ができませんので、それも含めて議論し、術式などが決まります。

 最近は早期がんで発見される方が増えており、抗がん剤より手術が先行することが多くあります。がんの広がり診断で乳房温存にするのか全摘するのか決まりますので、全摘の場合は、同時再建するのか2次的再建するのか術式を決めて患者さんに説明します。

 ほかのがんと比べて、切除後のQOLが特に重要になるのも特徴です。30〜40代の患者さんが多いので、ボディーイメージの変化にはとても慎重になります。切除して終わりではなく、その後のQOLを重視するという方針は、乳がん検診をためらわれている方にも安心感を与えるでしょう。学内に乳房再建センターを置いているのは、乳がんにかかったとしても、切除後もきれいになりますので安心してくださいというメッセージだと思います。

◎乳がん治療のこれから

 米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが予防的乳房切除したことが話題になりました。

 個人的には、病気でもないのに身体に傷をつけて切除することに抵抗がありますので、予防的手術について積極的ではありません。

 たとえば、挙児希望がなければタモキシフェンというホルモン剤内服によって発生が抑えられますし、毎年の検診を欠かさなければ早期で治療できますから。

 乳がんは、一部の早期がんを除いては全身疾患と考えるべきであり、手術のみならず放射線療法、ホルモン療法、化学療法、分子標的療法を組み合わせた総合的治療が必要となります。

 したがって、手術のウエイトは今後さらに低くなるものと思われます。近い将来は腫瘤摘出手術、あるいは手術は行わずに放射線・薬物療法のみで完治をめざす治療に変わるかもしれません。

香川大学医学部附属病院
香川県木田郡三木町池戸1750番地1号
TEL:087-898-5111(代表)
http://www.med.kagawa-u.ac.jp/hosp/

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