4月に就任 安心、安全かつ最先端な医療の提供を
4月に新病院長に就任した松山幸弘病院長。今後の抱負や教授を兼任する整形外科について聞いた。
■安心・安全な医療を
まずは患者さんに「安心で安全な医療」を提供しなければなりません。その上で高度な最先端の医療を提供していきたいと考えています。
4月には手術支援ロボット「ダビンチ」とハイブリッド手術室を導入し、より低侵襲な治療が可能になりました。
安心・安全かつ高度な医療のためには、患者さんの受け入れとともに地域へスムーズにお返しする役割も担わなければなりません。連携をより密にするために今後はクラウドを用いて、患者さんの情報を地域で共有するなどの取り組みも考えています。
■新専門医制度に向けて
大学病院としては医学生の教育と初期研修、さらに来年施行予定の新専門医制度への対応をしなければなりません。
新専門医制度については、医師の地域偏在を助長するなどの声が各所で上がり、来年4月からの本格実施は難しい情勢になっています。しかし、個人的に新専門医制度は、より地域に貢献できるシステムではないかと思っています。
基幹病院が地域の病院と連携し、若い先生にいろいろな病院で学んでもらう。そうすることで、各病院の治療法を学べるし、さまざまな大学出身者から各医局の風土を感じ取ることができます。地域の医師不足解消のカンフル剤たり得る制度だと思うのです。
新専門医制度の研修プログラムも作成済みですし、卒後教育センターも設置しました。開始時期に多少のずれがあるかもしれませんが、いずれスタートする制度だと思っています。私たちはいつ何時でも対応できる準備があります。
■病院長と教授を兼任
病院長と整形外科の教授を兼任しています。脊椎脊髄が専門で、全国各地から多くの患者さんに来ていただいています。そういった患者さんをこれまで以上に積極的に受け入れて、待たせることのない医療を提供したいと考えています。
当院には4人の副病院長がいます。麻酔科の中島芳樹教授にはオペ室運営効率化プロジェクトを担当していただいています。教育は呼吸器内科の須田隆文教授、経営は小児科の緒方勤教授に担当してもらっています。
地域連携、病床運営については看護部の協力が必須なので、鈴木美恵子看護部長に副院長になってもらいました。
副病院長4人と情報を共有し、協力を仰ぎつつ病院運営をしていきたいと思っています。
■相手の言い分を聞く
常に笑顔の絶えない病院でありたいと考えています。明るくて気持ちが和らぐ雰囲気であることで患者さんだけでなくわれわれも元気がでます。
職員に前向きに働いてもらうために明るい職場環境は必要ではないでしょうか。
私が愛読するカーネギーの「人を動かす」という本のなかに「人を熱烈に動かそうと思ったら相手の言い分を熱心に聞かなければならない」という一文があります。
現在、全職員を対象としたヒアリングを実施していますが、私も相手の言い分を聞くことが一番大事だと思います。
職員に頭ごなしに「これをやれ、あれをやれ」というのはナンセンスです。まずは相手の話に耳を傾ける。これが基本です。相手を理詰めで追い詰めるのは逆効果です。ポジティブな意見を与え、それを決して強要せず、良い方向に導いてあげることが必要だと思っています。
■いつも笑顔で
私の人生哲学は「KKSKI」、この言葉に凝縮されています。最初のKは「困難なものを受け入れろ」です。損得を考えて物事に当たってはいけません。困難なこと、皆が嫌がることを率先して引き受けなければいけません。
2番目のKは「断らない」です。例えば私は講演の依頼があっても、絶対に断りません。それはなぜかというと相手が私の能力、技術、知識などを認めて依頼してくれているからです。みなさんも仕事を頼まれたときは「嫌だな」と思うのではなく、「認めてくれた」と思った方がいいのではないでしょうか。
3番目のSは「精一杯」です。何事にも精一杯ぶつかっていくことが重要です。何かを人に頼まれて「そんなのできませんよ」と言う人がいます。しかし、やってもいないのにできないということはありえません。ギブアップすることは自己の能力の否定にほかならない。それを繰り返していると自身の成長を阻害します。能力は自分次第で大きくできるのです。
4番目のKは「感謝」です。感謝の気持ちを忘れてはならないと思っています。何事に対しても「ありがとう」という気持ちを大事にしてほしいですね。
最後のIは「いつも笑顔」です。笑顔は周囲の人を幸せな気分にさせるものです。
「KKSKI」、この5文字を胸に秘めて今後の病院運営に励んでいくつもりです。若い人も常に前向きにチャレンジする姿勢を持ち続けてほしいと願っています。
浜松医科大学医学部附属病院
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