― 4月22日・ 福岡 ―
熊本地震に伴う医療者向け緊急報告会が、4月22日に福岡国際会議場(福岡市博多区)で開かれた。22、23日の2日間開催の第18回日本医療マネジメント学会学術総会(会長田中二郎飯塚病院名誉院長)で急きょ実施。「前震」から1週間ほどの報告で、DMAT(災害派遣医療チーム)の初動の課題が、医療関係者にいち早く伝わる貴重な機会となった。
まず、同学会の宮﨑久義理事長(熊本医療センター名誉院長)が被災地から参加し登壇。14日夜の「前震」に遭遇したのは、熊本市内での散歩時だったと語り「どーん、どーんという音が聞こえてアスファルトが揺れた。何が起こったのかわからなかった」とその恐怖を生々しく伝えた。
自身も車中泊をする中、共に駐車場などで過ごす被災者達にエコノミークラス症候群についての情報を伝えたが、認識があまりないようだった、と危惧した。
次に医師、看護師など5人のチームで派遣されて活動を行った飯塚病院(福岡県飯塚市)のDMAT隊員が報告。「4月15日に県の要請を受けて出動し、熊本赤十字病院(熊本市東区)を拠点に重症患者の移送などを行った」とし、DMATや同院が「機能的に整然と業務を行い、患者も冷静に行動できていた」と一定の手応えを語った。
一方で、一次隊は準備があまりできない中で出動するため、早期の交代を考慮する必要があること、スタッフ仮眠場所でも上から物が落ちるなどの危険な中での活動だったことなどを話し、救助側の安全確保の重要性も強調した。「後の検証のために撮影した」という現場の画像も10点以上示され、参加者は真剣に見入っていた。