お茶を飲みながら、なごやかな雰囲気で最先端の脳科学を学ぶ「第1回脳科学サイエンスカフェ」が3月30日、九州大学医学部百年講堂(福岡市東区)で開かれた。脳科学の意義と重要性の啓発を目的に、世界的規模で行われるキャンペーン「世界脳週間」の一環。NPO法人「脳の世紀推進会議」が企画した。「脳の中の脇役ミクログリアが身体や心を操る?」をテーマに、九州大学医学部の3人が講演。中学生、高校生、現役医学部生など約60人が参加した。
講師の齋藤秀俊・九州大学薬学研究院ライフイノベーション分野准教授は、「ミクログリアは、脳内で異常が起きると直ちにそこに移動して病原体と戦い、死んだ脳細胞を食べて組織をきれいに保とうとする免疫細胞」と、分かりやすく解説。
高校生の参加者たちは講演後、「将来、生物か物理の研究職に就きたい」「ミクログリアが、アルイツハイマー治療の手がかりの一つになることを知り、とても興味を持った。研究してみたい」など、感想を語った。
企画に関わった、吉良潤一・九州大学医大学院医学研究院神経内科学教授は、「脳と心の病気の新しい治療法を開発するのはみなさんだと思います。興味があればいつでも研究室に遊びに来てください」と参加者たちに呼びかけた。