愛知医科大学病院 羽生田 正行 病院長

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新病院運営は 職員一丸となって

経歴/ 1981 年 秋田大学医学部卒業 同年 信州大学医学部附属病院 医員同年 市立甲府病院外科医師 1984 年同病院外科副医長 1989 年 信州大学医学部附属病院 助手 1991 年 米国ミズーリ州ワシントン大学胸部外科に研究員として留学 1993 年 信州大学医学部附属病院 助手 2000 年 同病院 講師(医局長) 2003 年 愛知医科大学外科学講座 呼吸器外科 教授2011 年 同病院 副院長 2014 年 同病院 病院長代行  2015 年 同病院 病院長

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 ―昨年4月に病院長に着任されて1年。これまでを振り返ると。

 私は2003年、当病院に教授として着任しましたが、2年半後の2005年に、新病院建設委員会の副委員長になりました。新病院は2014年5月に完成しました。

 初めは、私のような若手になぜ、そんな依頼があるのかとも思いましたが、当時の佐藤啓二病院長(現愛知医科大学学長)から、「新病院を建設後に、ここで10年以上は働く人でないと、責任は持てないから」とその理由を説明され、心を動かされました。

―当時、どのような課題がありましたか。

 愛知県内には4つの大学病院がありますが、当院は、国公立大学のような格式や伝統があるわけではなく、かといって病床数がずば抜けて多いというわけでもありません。

 特に病院が建て替わる前は、職員の意識のなかにも、「こんな古い病院なのに」「地理的にも、名古屋市内から離れて不利だから」といった、後ろ向きな考え方がまん延していたように思います。

 しかし、新病院の建設は、当院の将来を決める重要なことだと新病院建設委員会で話しながら、方向性を模索する中で、職員の意識も変わってきたと思います。

 一例ですが、新病院のコンセプトとして生まれたのが、「生活時間の最大活用」という考え方です。初めは、患者さんの外来での待ち時間が長いことを何とかしたいという声があがりました。しかし、待ち時間の短縮は難しい。それなら、患者さんの目線で、その待ち時間を有効活用してもらう方法を考えようと最終的にはなりました。

 具体的な方法として「NAVIT」という端末を利用した日本初、当院独自の外来案内のシステムを導入しました。

 まず、外来受診の際、はがきサイズの無線携帯端末「NAVIT」を患者さんにお渡しします。端末では、当日の診察や検査の予定などの情報や、担当医師からのメッセージを画面で確認できます。そして、受診が近付くと「間もなく受診の順番が来ますよ」という合図も届きます。このため、これまでのように受診する診療科の窓口で、じっと待つ必要がなくなりました。エリア内のカフェ、レストランなどで過ごしたり、用事を済ませたりと、待ち時間を有効に利用することができます。

―入院患者数も増えているようですが。

 高度専門医療の機能を強化するための方策として、まず手術室を12室から19室に増やし、うち1室をハイブリッド手術室にしました。これによって、年間1万件以上の手術に対応できます。

 医師においても、心臓外科の松山克彦教授(前東京医科大学病院准教授)、腎移植外科の小林孝彰教授(前名古屋大学大学院教授)、整形外科の出家正隆教授(前広島大学講座主任)、網膜手術が専門である眼科の瓶井資弘教授(前大阪大学医学部附属病院 病院教授)、そして救急救命科の武山直志教授(前藤田保健衛生大学医学部教授)の5人の先生に昨年着任していただきました。これによって、外科系の分野がより強化されました。

―今後の取り組みは。

 新病院では、職員が一緒になって「成功体験を実感してほしい」という思いがありました。そのためにも「にぎやかな病院」であることを目指し、まずは、新しい病院に患者さんにお越しいただくことが大事なのだ、という職員の意識改革を行いました。

 実際、新病院になったという効果とともに、意識改革もすすみ、入院数は目標をクリアしています。土曜日の外来をなくしたにも関わらず、1日の外来受診者数が、旧病院の平均を上回っています。職員たちも、自信を持ち始めているのがわかります。

 この病院がある長久手(ながくて)市は、ある調査では、「住みよさランキング」で、全国791都市の中で、第2位(2015年)となりました。子育てもしやすく、人口も増加しています。201 6 年12月には大型ショッピングモールがオープンしますので、周辺地区からの買い物客の流入も見込まれているようです。

 これに伴い、地元のバス会社が路線をつくる計画で、合わせて2017年4月稼働を目指して、病院敷地内でのバスターミナルの整備が進んでいます。ターミナルが稼働すれば、当院の北と南にあるエリアを結ぶ中継地となります。当院を実際に見ていただく機会も生まれ、尾張旭市、瀬戸市、名古屋市の名東区、守山区からの来院も増加するでしょうし、地理的な弱点の解決にも期待がもてます。

―地域の医療機関との連携は。

 地域に愛知医大ファンをどうつくるかも大事だと考えています。

 たとえば、東名古屋病院(名古屋市)、旭労災病院(尾張旭市)へ、医師を派遣するという方法を検討中です。また、名東区の医療機関からなる「なでしこの会」では、地域の医療機関の役割を考えています。

 地域ならではの機能分化を、地域の医療機関の皆さんと一緒に形作っていきたいと思います。

愛知医科大学病院
愛知県長久手市岩作雁又1番地1
TEL:0561-62-3311


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