おもてなしのこころで、最善の医療を
◆地域に根差した病院でありたい
2014年3月に新棟竣工、4月に従来の渡辺病院から富士整形外科病院へと改称しました。
地域に根ざした病院でありたいとの思いから富士という名称を使用し、病院のシンボルマークを新たに制作しました。富士山をイメージしたキャラクターで、登録商標を取っています。着ぐるみも制作する予定です。
私が理事長に就任したのは8年前。当時、病院建物は老朽化しており、建て替えが急務でした。
新病院を建てるにあたっては「病院らしくない病院」にすることを目指しました。
一般的に、病院は、どうしても冷たいイメージを持たれがちですが、新病院では木をふんだんに用い、温かみのある空間になったと思います。
よりよい療養生活を過ごしてほしいとの思いから、屋上には、眼前に富士山が望めるリハビリ庭園を設置しました。
◆充実の野球・スポーツ外来
この地域では団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降も高齢者が増加すると予想され、大腿骨頚部骨折や脊椎骨折などの医療需要は今後も拡大するでしょう。
整形外科病院の役割としては、高齢者の骨折治療はもちろん、介護などにも目を向けていく必要があると感じています。
少子高齢化とはいえ、若い世代の治療もしっかりやらなければなりません。当院では野球・スポーツ外来を設けています。小・中学生の成長期特有のスポーツにおける障害や、高校・大学生のスポーツ部活動での障害を専門的に扱う診療科です。
5年前からは野球ヒジ検診を行っています。小・中学校の野球チームを対象に、投球時にヒジの痛みがないかなど無料でチェックしており、毎年500人以上の子どもたちを診ています。当初は近隣のチームのみでしたが、今では市外のチームなども診ています。
また、当院では、現在、保険適用が難治性の足底腱膜炎に限られている、体外衝撃波疼痛治療装置も導入しています。
◆医師不足
静岡県富士市のある県東部は、日本でも有数の医療過疎地です。
医師不足は今後も続くと思いますが、可能な限り整形外科の救急、手術を提供するのが当院の使命だと考えています。看護師、理学療法士などのメディカルスタッフが、とてもがんばってくれているので、医師が少なくても十分な医療を提供できています。
◆アットホームな環境
職員は当院をとてもアットホームな職場だと感じているようです。昔から職員旅行、スポーツ活動、懇親会などを頻繁に行っています。普段からこのようなコミュニケーションをとっていることで、円滑なチーム医療の構築にもつながっているのかもしれません。
病院は一般企業と異なり、管理職であっても現場に立つ必要があると思っています。最前線で働く職員と同じ目線に立ち、緊密なコミュニケーションを取ることが重要ではないでしょうか。
当院のキャッチフレーズは「おもてなしのこころで、患者さまとの絆を大切にして、最善の医療を尽くします」です。
全職員が「おもてなしの心」を胸に日常の医療に従事しています。
職員が希望することは、可能な限り実現させてあげたいと思っています。体外衝撃波疼痛治療装置も医師からの要望で導入しましたし、学会参加の希望があれば快く送り出すようにしています。オンとオフの切り替えも重要なので、しっかりと休みを取得できる体制が整っています。