独立行政法人 国立病院機構 岡山医療センター 佐藤 利雄 院長

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良質な急性期医療の維持、発展を

佐藤 利雄(さとう としお) 1977 岡山大学医学部卒業、同第2 内科入局 1977 高知県立中央病院勤務(研修) 1978 香川県詫間町立永康病院勤務(研修) 1979 岡山大学医学部第2 内科医員、研究生 1981 米国クレイトン大学留学 1984 岡山大学医学部第2 内科助手、呉共済病院 呼吸器科医長 1993 国立岡山病院勤務 呼吸器科医長  2008 岡山大学医学部臨床教授 2010 国立病院機構岡山医療センター 統括診療部長 2012 同 副院長 2014 同 院長 ■学会 日本内科学会:認定医、指導医、日本呼吸器学会:専門医、指導医、日本アレルギー学会:専門医、指導医、日本呼吸器内視鏡学会:専門医、指導医

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◆信頼される病院に

 社会保障費の増大が懸念される2025年問題に対応するために地域における医療機能の分化、連携の深化が急務です。

 今年度からは、地域医療構想が具体的に動き始めました。

 当院としては、これまで通り、質の高い医療を維持・発展させつつ、地域の中核病院として岡山県の医療に貢献していくつもりです。

 私たちの理念は、「今、あなたに、信頼される病院― 病める人への献身、医の倫理に基づく医療への精進と貢献 」です。

 当院は、今年で開設71年とたいへん歴史がある病院です。先達が築き上げた信頼を受け継ぐのはもちろん、現在の私たちの活動が、これからの時代の信頼につながっていくと信じています。

 理念の中にある「あなたに」の言葉は患者さんに対してだけでなく、地域の人や、ほかの医療施設の人たちに向けた言葉でもあります。また職員から信頼される病院との意味も込めています。職員が仕事に対して充実感を感じられると、それが原動力となり、より良い医療の提供が可能となります。

 医療機関にとっての「信頼」とは、当たり前の言葉かもしれませんが、必要不可欠のものです。岡山の医療圏は競争が激しいので、信頼される病院でないかぎり患者さんにそっぽを向かれます。常に高度な医療を提供し、「大きな心配があったら岡山医療センターに行こう!」と思ってもらえるような病院にしていかなければなりません。

◆2025年問題への対応策

 2016年度の診療報酬改定では、7対1入院基本料の施設基準のひとつ「重症度、医療・看護必要度の割合15%以上」を25%以上に引き上げることで医療費の高い病床を削減しようとしています。私たちは、国の新基準を満たしつづけることが2025年問題への対応策だと考えています。

 急性期病床削減の流れのなかで、いかに患者さんをしっかり診ることができる医療機関であるかの真価が問われる時期にきています。当院では今後も急性期に対応した診療をさらに発展させていかなければならないと考えています。

◆院長の責務

 院長に就任して1年半が経過しました。私には、患者さんはもちろん、職員と、そのご家族を守る義務があります。

 経営なくして医療は成り立ちません。病院が赤字だと患者さんも職員も守れません。

 就任後、厳しい医療環境の中でも経営を上向かせる運営ができていますので、ひとまず責任を果たしつつあるのではないでしょうか。

 消費税増税、診療報酬改定など医療を取り巻く環境は不透明ですが、諸先輩方が構築してくださった当センターをさらに発展させるのが、私に課せられた使命だと思っています。

◆新たな専門医制度

 今後、専門医制度の大幅な改定が予定されています。これまでは各学会が専門医の認定を行っていましたが、新制度では、第三者機関「日本専門医機構」が、専門医の認定と養成プログラムの評価・認定のほか、専門医の認定基準や養成プログラムの基準を作成することになります。既に、19基本領域の専門医プログラムの基準がほぼ準備され、施設応募が始まっています。

 要するに、大学をはじめとするプログラム基幹施設の養成プログラムで教育・研修を受けていないと専門医が取得できないシステムです。これによって、今後、専門医を目指す多くの医師が大学のプログラムに所属するようになり、大学の医師派遣力が大きくなることが予想されます。

 しかし、医師派遣力が新臨床研修制度の以前のレベルにまで戻るかどうかは分かりません。大学との連携が弱い病院は、いつまでたっても医師不足、ということも十分に考えられます。この度の専門医制度は新臨床研修制度導入と同じくらい大きな改定だと思います。

◆価値観の転換を

 私たちが若いときから培ってきた医療の価値観が、ここ数年で激変しています。その根源は、日本が人口減少社会、少子高齢化社会を迎えたことです。

 明治初めの日本の人口は約3000万人、そこから近年に至るまで人口は右肩上がりで、1世紀余りで約4倍になりました。

 私が医師として叱られながら現場で駆け回っていた時代は、罹患した病気を治療すれば職場復帰、自立した家庭復帰が可能なケースが多くを占め、急性期病院で治療完結となる割合が多かったと思います。

 これから、人口減の社会、特に高齢社会を迎えるにあたり、高齢者は合併症も抱えているので、主病を治療してもその後の回復期の治療、ケアが不可欠です。

 われわれは一人ひとりの患者さんの急性期の治療をさせていただき、地域との医療連携により全人的に診ていけるよう努力をしています。具体的な取り組みとして、地域合同連携デスクを当院地域連携室に設けて、地域医師会、急性期病院、回復期病院、慢性期病院が協力して、病状に応じて入院を配分し、その後、逆紹介するシステムも開始しています。

 今後も良質な急性期病院として活動するために、従来の価値感を転換して、地域での役割分担と医療連携を深め、地域全体で協力しての地域完結型診療体制作りがまさに必要な時です。


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