鹿児島大学大学院 血液・免疫疾患研究分野 石塚 賢治 教授

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若手を育て 地域医療を守りたい

■経歴 1988 年 鹿児島大学医学部卒業 同年 鹿児島大学医学部附属病院 研修医(第二内科) 1990 年 国立都城病院 医師(内科) 1991 年 鹿児島大学医学部附属病院 医員(第二内科) 2000 年 隼人町立医師会医療センター 医長(内科)2001 年 福岡大学病院 医員(血液・糖尿病科) 2002 年同助手(同)2003 年 ダナ・ファーバー癌研究所(米国ボストン リサーチフェロー)2006 年 福岡大学病院講師(血液・糖尿病科)2007 年 同講師(腫瘍・血液・感染症内科) 2013 年 同診療准教授(同)2015 年 同准教授(同) 2015 年 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科附属難治ウイルス病態制御センター血液・免疫疾患研究分野 教授 鹿児島大学医学部・歯学部附属病院血液・膠原病内科 科長 ■所属学会 日本内科学会、日本血液学会(評議員)、日本臨床腫瘍学会(協議員)、日本癌学会、日本HTLV-1 学会(評議員)、米国血液学会、米国臨床腫瘍学会

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―昨年11月に鹿児島大学の教授に就任されました。

 私は、医師になり、まず鹿児島大学で13年半、その後、福岡大学で14年半を過ごしました。そして今回、51歳で鹿児島に戻りました。医師としての人生を40年と考えると、最初の3分の1を鹿児島、次の3分の1を福岡で過ごし、最後の3分の1を故郷でもある母校に戻って、自分なりの「仕上げ」をするというチャンスをいただいたことになります。

 長年、成人T細胞白血病・リンパ種(ATL)の研究をしていますが、ここ鹿児島県はATLが、非常に多い地域です。ひとつの地域・県で考えると世界で一番患者数が多い地域です。

 ATLは母乳を介したヒトTリンパ球好性ウィルスⅠ型(HTLV‐1)感染が原因です。厚生労働省は、2011年から妊婦検診にHTLV‐1抗体検査を取り入れ、キャリア(保因者)妊婦には、感染予防策として産後に断乳をするよう勧めています。キャリア数はすでに自然減も見られていましたが、この介入によってさらに減り、やがてATL患者数も減っていくことになると思います。

 全国的に見ると、患者数は約1千人。数が少ないので、ATLの研究は、一時は低調となっていましたが、2007年、福岡大学の腫瘍・血液・感染症内科学の田村和夫教授と、今は島根大学におられる鈴宮淳司教授の2人が改めて臨床像を明らかにする研究を始めました。

 私はそれを引き継ぎ、大学院生と全国1500件ほどのデータの予後因子の解析、研究に取り組みました。今後は、ここ鹿児島で、患者さんと向きあいながら、腰を据えて診療と研究に取り組みたいと考えています。

―ご自身の研究や講座で注力されたいことは。

 まず、自身の研究としては、現在、他の病気で効く薬がATLにも有効かどうかという医師主導治験に取り組んでいます。

 また、講座としては人材の育成に力を入れます。地方の国立大学の役割は、地域医療を守ることにもあります。

 現在、血液内科の専門医が常駐する認定施設は、県内で鹿児島市には6カ所ありますが、それ以外には鹿屋市にしかありません。

 血液疾患の高齢者が増えているにも関わらず、実際に治療となると、鹿児島市内に来るしかないというのが現状です。さらに、鹿児島県は、市内から少し離れるとバスの便が1日に数本しかない、というような地域が増え、市内に来るとなると家族の手を借りるしかありません。

 このような現状を解決するためにも、若手を育てたい。そして県内の、せめて鹿児島市以外の市にある公立病院を始めとする医療機関のいくつかには、血液内科専門の医師がいて入院ができる体制をつくりたいのです。

 膠原病も同じく、専門医のニーズは高く、こちらも力を入れます。

 血液疾患や膠原病になった時、鹿児島で一番に選ばれる病院、地域の医療機関の先生方から「紹介したい病院」と言われるよう、頑張ります

―これからの若い世代に伝えたいことは。

 講座としては、臨床の教室ならではの基礎研究ができるような、若い研究者のための環境を整備していきたいと思います。

 医師を目指す方には、「ATLの患者さんの治療を私たちと一緒にやりましょう」と声をかけたいですね。

 鹿児島に戻って、やはりATLの患者さんが多いと実感しています。若い方で、かつ、移植ができた場合でも5年生存率は4割。押しなべて見ると2割と厳しいものです。もちろん、20年前に比べると治療成績は好転しているものの、難しい病気であることに変わりありません。

 この臨床と研究を、若い方や県内医療機関と一緒にタッグを組んでやっていきたいです。

 今後の私の役目は、若い研究者のQOL(生活の質)も大切にしながら、若い人が花開くのを手伝うことだと思います。さしずめ"花咲かじいさん"ですね。

―血液疾患に携わる医師としてのやりがいは。

 結婚直前に血液疾患となったある患者さんから、その後、赤ちゃんを授かったというお手紙をいただいた時は本当に嬉しかったです。

 治療が終わって数年後に、元気にしておられる患者さんと再会するのも大きな喜びです。

 また、治療がうまくいかず予後が厳しい状態になった場合にも、患者さんと家族の時間を少しでも長くして、病気のおかげで豊かな時間を過ごせたといつか思っていただける医療を提供したいと願っています。


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