国立大学法人 熊本大学 原田 信志 学長

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一心不乱のエネルギー持って

1950(昭和25)年生まれ。熊本市出身。熊本高校卒、熊本大学医学部卒、熊本大学大学院医学研究科(博士課程)修了。マサチューセッツ大学医学部病理学教室医学研究員、ネブラスカ大学医学部病理学教室アシスタントプロフェッサー、山口大学助手、京都大学助教授などを経て1989 年熊本大学医学部教授に着任。同大学では、アイソトープ総合センター長、エイズ学研究センター長、大学院医学薬学研究部長、同生命科学研究部長、理事・副学長などを歴任。2015 年4 月学長に就任。専門は感染防御学。趣味は「空気のごとく本を読むこと」

 国立大学といえども厳しい運営を迫られている今の時代に、未来に向けてどう引っ張っていき、どんなロマンと夢を託すかを、昨年4月に就任した原田信志学長に聞いた。

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 医学系や薬学系は1700年代からの伝統があり、夏目漱石や小泉八雲も教壇に立った五高の誇りもある熊本大学を、これからどんな構想で進めていくのか。

 私が副学長だった2013年3月に、熊本大学の根源的特質を象徴的に伝える言葉として「創造する森 挑戦する炎」を策定し、かつて熊大の文学部で学んでいた漫画家の井上雄彦(いのうえ・たけひこ)氏に揮毫をお願いしました。

 研究に関しては、医学系の「国際先端医学研究機構」を昨年4月につくりました。優秀な人材を登用し、医学の研究を先導する機構です。同様にして工学系など科学技術の分野でも、今年の4月に国際先端科学技術研究機構をつくり、新たな核をつくります。これも優秀な人材なくしてはできません。文系も近い将来、そのような方向に進むと思います。

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※=井上雄彦:代表作に「SLAM DUNK」「バガボンド」「リアル」などがある。

 教育に関しては、基本的には教養教育をきちんとやり、そこに国際的な意味を持たせるようにする必要があります。熊本大学には2つの考え方があり、1つは文部科学省スーパーグローバル大学創成支援事業に基づいた、教育カレッジです。それぞれの学部で国際的な感覚も磨くコースを作ります。それと並行して、教養教育統括管理センターをつくり、校内連携をはじめいろんな教養教育を学部ごとにきちんとやるシステムをスタートさせる予定です。

 さらに産学連携としてCenter of community(= 大学を地域コミュニティーの中心にして地域や大学づくりを実現する考え方)に加え、くまもと地方産業創生センターというものをつくっています。地場の企業との協力関係によって人材を育成し、共同研究をすることで地場の企業の活性化をはかり、もしくはベンチャー企業の誕生につなげていくシステムで、県と県内のいろんな大学、地域の企業、経済界が連携して動かしているわけです。

 このようにして、研究、国際化も含めた教育、地域貢献の器はできましたから、そこに学生がどんどん参加していく。それを呼びかけているところです。

[世界の中の日本]

 大学の国際化には2つあります。1つは外国人留学生を入れて教育すること、もう1つは日本の学生の国際感覚を高め、グローバル人材として養成することですが、これには留学しかありません。若いうちに、たとえ1年留年したとしても外国暮らしの経験があったほうがいいです。そのために熊大独自のいろんなファンドを使っての留学を推し進めており、たとえば「トビタテ!留学JAPAN」では、全国の国公私立大学で、外国に留学している学生の数は12番目だそうです。

[熊大生に望むこと]

 文字通り、創造する森、挑戦する炎です。創造する時は森のようにじっくり取り組み、行動する時には炎のように燃え盛って、興味のあることに一心不乱に進むエネルギーを持ってほしいですね。策定して間もないスローガンですが、この精神を受け継ぐ学風になればいいですね。その中で尊敬できる指導者に早く出会えればと思います。私が今こうしてあるのも良い師に出会えたからです。

 さらには、われわれ大人や高齢者が若い人に対して、あれをしてほしいこれをしてほしいと注文ばかりするのではなく、「私はこれをここまでやれるから、君たちはこれができないだろうか」と語りかける気持ちがなければ物事は何も動きません。一方的に要求するよりも、一緒にやろうという大人の姿勢が、少子高齢化の日本には求められていると思います。若者と高齢者が共同作業する中で、若者がもっと頑張るべきだとの意識が生まれ、そのとき初めて若者に対する希望が出てくるんじゃないでしょうか。


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