国立大学法人 浜松医科大学 中村 達 学長

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すべては患者さんへの還元のため

経歴■1970 年 慶應義塾大学医学部卒業 1977 年浜松医科大学医学部附属病院助手 1991 年同大学医学部助教授 1998 年同大学医学部教授 2004 年同大学理事(財務・病院担当)同大学医学部附属病院長 2010 年同大学学長

■現場主義を徹底して
―来年3月で学長をご退任されます。振り返っていかがでしょうか。

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 病院に赴任したのが1977年10月、11月に外来がオープン、翌年2月から入院もスタートしましたが何より新設ですから臨床データがゼロ。すべて私自身のデータとなります。初めは患者さんも少ないですし、症例数が少ないので、論文を書く種もなく、初めの10年間とにかく手術を行うことに力を入れました。大学では、肝臓の静脈の解剖をやっておりました。肝静脈の論文が国内外で評価され、また他の病院では難しいと言われた腫瘍の切除など肝臓外科の臨床で勝負してきました。

 そのような私を、寺尾俊彦前学長が、病院の理事の立場に引き上げてくださいました。しかし臨床とは全く違い、臨床、研究に加えて現場を見なくてはならず、加えて法人化直後は資金も少ないなど苦しい時期もありました。

 対策は、徹底した現場主義。つまり現場を回って見聞きし、困っていると感じたら、どこに何が必要かを考え、必要な所に必要な医療機器や人を細やかに配置することでした。

 おかげで、少しずつ手術が増え、患者さんが増え、という良循環になり、現在はベッドの稼働率が月平均90%以上となることもあります。

 収入も開設時に比べると1.7~1.8倍に増加しています。厳しい時期もありましたが大学病院として、先進医療を提供するため、最新の機器を導入し、ロボット手術も出来るようにするなど、患者さんに還元できるようになったことが大変うれしいです。

■学生に望むことは
―教育分野については

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 学長になってからは、私自身が変えようというばかりでなく、大学の評価を評価機関に受けることが義務付けられたのでそれに対応してきました。具体的には、機関別認証評価と分野別認証評価の2つの評価です。いずれも、7年ごとの評価となり、2014年度の機関別認証評価では大学評価基準を満たしていると評価されました。分野別認証評価は、国際的な医学教育の評価基準ですが、2018年度からスタートいたします。

―貴学医学部は、2015年の医師国家試験合格率のランキングで、全国1位となりましたね。

 この5年で10位以内に入ったのが4回と、教育担当の先生には頑張っていただいています。学生にやる気を出させるのは大事なことですので、担当者がきめ細かく面談をして、やる気を出すようアドバイスします。

 元々、優秀で、真面目な学生が多いのでやればぐーっと、伸びるんです。

―勉強以外でも学生は頑張っていますね。

 「スポーツはやりなさい」と指導しており、西日本医科学生総合体育大会では、これまで総合優勝を5、6回しています。

 というのも医師はハードな仕事で体力が必要ですし、勉強はできるけれど、体力がないとか人間性が良くないでは困ります。そのためにハード面を整えたいと思い、サッカー場を人工芝に換え、野球場も整備、テニスコートの整備も今後予定しています。管弦楽団は、入学式、卒業式そして解剖体慰霊祭で演奏してくれています。

 教育面でも、現場主義を大事に取り組みました。

■大学の存在意義
―静岡県での大学の役割は。

 本学には、医師を養成し、地元に医師を定着させるという役割がありますが、東京や愛知などから入学するため、多くは卒業後に出身地に帰ってしまいます。このため、入試を改革し、来年その入学生が初めて卒業します。定着の目標は、1学年120人のうち70人、60%を掲げています。

 また静岡県は、500床以上の大きな病院には医師が集まりますが、中小の病院では医師が不足しています。これに対応するため、本学の目標にも掲げておりますが、総合診療医、つまり家庭医の養成にも力を入れています。このため、2019年から、菊川市や森町にセンター施設での家庭医療実習に全員が参加する予定です。

―研究に関する取り組みは。

 産学連携に力を入れています。大学は、強みと特色を打ち出していかないと生き残れない時代です。

 特に光医学には力を入れています。たとえば、地元の浜松ホトニクス株式会社とは、共同研究が、現在約20件、本学にとっても喜ばしいことです。

 実は、私自身も、一重項酸素を検出する研究を同社と一緒に行いました。ノーベル賞で注目されたスーパーカミオカンデ(世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置)にも使われている光電子増倍管を使用しました。

―研究は具体的にどのように患者さんに役立つのでしょうか。

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人工芝で整備されたサッカー場

 MRI、CTなどの技術に応用されています。また、新しく着任した星詳子教授は、甲状腺がんや乳がんを、光で検出する研究をしています。放射線は、頻繁に浴び続けるわけにはいきませんが、光CTであればその問題は解決されます。アメリカでも同様の研究がされていますが、本学でも実用化に向けて研究を進めております。

 また、診療は、他の病院にない特長のあるものにも力を入れたいと考えています。例えば整形外科の松山幸弘教授の脊椎外来は、難治性脊椎脊髄疾患の治療で大変注目を集めております。小児科の外来では、小児内分泌・遺伝疾患などが有名です。これらを専門的に学ぼうという若い医師が今後ますます増えていくと思います。

―今後の予定は。

 若い医師に手術の方法などを教えたいと思いますので、臨床に戻って頑張りたいと考えています。

 私自身が、学生時代に病気をして、医師に助けられた経験をきっかけに医師を目指したという経験もありますし、何より臨床が好きなんです。


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