日本福祉大学 二木 立 学長

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進化を続ける「ふくしの総合大学」

にき・りゅう 1972 年東京医科歯科大学医学部卒業。代々木病院リハビリテーション科長、病棟医療部長、理事を経て、1985 年日本福祉大学社会福祉学部教授。同学部長、大学院委員長、副学長、常任理事を経て現在に至る。医学博士・社会福祉学博士■一般社団法人日本社会福祉教育学校連盟会長、日本学術会議連携会員、日本医師会医療政策会議委員

 日本福祉大学は1953(昭和28)年、名古屋市で中部社会事業短期大学として開学。1957年に4年制大学に改組し現在の名称に変更。日本初の社会福祉学部を開設した。

 その後、キャンパスの移転、増設などを経て、現在では美浜、半田、東海、名古屋の4キャンパス、7学部、9学科と大学院を持つに至る。

 同大の二木立学長に、大学の今後や2015年4月に開設した看護学部などについて話を聞いた。

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■ふくしの総合大学

 創立60周年を迎えた2013年、大学のコンセプトに「地域に根ざし、世界を目ざす『ふくしの総合大学』」をすえて、翌年には商標登録しました。

 なぜ平仮名で「ふくし」なのか。「福」も、「祉」も、もともとは「しあわせ」を意味していますが、漢字で「福祉」と書くと、社会的に弱い立場にある特定の人々のみを対象とすると誤解されがちです。

 もちろん、それが福祉の原点だとは思いますが、現在では、すべての人々が幸せに暮らせる、生きられるための、すべての活動・制度・学問を指すように対象が変化してきました。

 われわれは「ふくしの総合大学」をめざして、
「健康・医療」(いのち)、
「福祉・経済」(くらし)、
「教育・発達」(いきがい)、
この3つの領域の発展充実に努めています。

■看護学部の開設

 昨年4月、「健康・医療」(いのち)の領域を充実させるために、東海キャンパスに看護学部を開設しました。

 初年度の受験者は入学定員100人に対して、1200人。これまでの福祉系大学としての取り組みが評価されたのだと感じています。

 われわれが看護学部を開設したのは「ふくしの総合大学」としてのミッションを、より強固に打ち出すためです。知多半島地域および西三河南部地域における学士課程(4年制大学)による看護職の養成を行うことは、この地域の看護人材需要に応えるものなのです。

 本学の看護学部は実習施設にとても恵まれています。通常、新設で看護学部をつくるとなると実習施設の確保に苦労しますが、すべてキャンパスから1時間以内で行くことができます。

 また介護、福祉関係の実習施設が充実しており、高機能病院での実習だけでなく、介護・福祉施設での実習が可能です。保健医療福祉の連携、多職種連携教育が、ほかの看護学部に比べて充実していると自負しています。

 近年、保健医療福祉の連携、多職種連携などが地域包括ケア、地域医療連携で強調されています。そのためにも、豊かなコミュニケーションスキルと看護実践能力を有する人材を輩出し続けていくつもりです。

 2017年には美浜キャンパスに「スポーツ科学部」(仮称・設置構想中)を開設する予定です。

 一般の体育系学部であればトップアスリートの育成が主たる目的ですが、本学では、福祉の一環として障害者スポーツを支える人材の育成も重視しています。

■「二本立」の生活

 私は、自分の氏名(二木立)をもじって、「二本立」の研究・生活をすることをモットーとしています。

 1972(昭和47)年に東京医科歯科大学医学部を卒業後、東京の地域病院でリハビリテーション医として勤務する傍ら、医療経済学の勉強と研究を行ってきました。

 1985(同60)年に日本福祉大学に教授として赴任。しばらくは診療・臨床研究と医療経済・政策学の研究の「二本立生活」をしていましたが、次第に後者に比重を移し、現在に至っています。

■優秀な福祉人材の輩出

 これから求められるのは「保健医療福祉の幅広い知識を持ち」、「マネジメント能力があり」、「ICTに強い」人。これら3つの力を持った福祉人材を輩出させたいと思っています。

 少子高齢社会を迎えた現在、戦後の日本を支えてきた、家族と地域社会・企業社会の福祉力・互助機能が低下しています。

 そのため今後、公的福祉が果たさなければならない役割が、ますます大きくなってくると考えられますし、福祉を必要とする人の数も増加してくると予想されます。

 その反面、医療費を含めた社会保障費の抑制が進み、慢性的な人材不足に陥っています。

 一般に福祉職は、給与水準が低いというマイナスイメージを持たれています。介護職の給与水準が低いのは事実ですが、社会福祉士と精神保健福祉士は正職員で働く分には一般企業と遜色がありません。

 福祉の仕事は、いきがいを感じられる職業です。今後、ますます需要が高まる職種なので、一人でも多くの人が本学の門を叩いてくれることを願っています。


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