【寄稿第6回】スキルス胃がん患者・家族会 「希望の会」 轟 哲也 理事長

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◇検査について

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轟 哲也 理事長

 ステージⅡとかⅢの場合、標準治療では、一部であれ全部であれ、胃切除手術でしょう。十分に根治も望めます。実際、希望の会には、術後5年以上、元気で過ごしている方が何人もいます。

 一方、腹膜播種がある場合、ステージはⅣであり、根治手術不適応のため、抗がん剤治療となります。確定診断前の検査で腹膜播種が疑われる場合には、審査腹腔鏡検査を行い、医師が腹腔鏡によって腹膜播種の状態や他臓器への転移などを確認します。

 例えば、CTの画像で腹水が認められれば腹膜播種があることが疑われ、審査腹腔鏡検査が行われると思います。私の場合がそうでした。どこの病院でも検査の流れは同じであると思っていました。

 しかし、希望の会には、いきなり開腹手術をしたら腹膜播種があったため、胃を切除せずに閉腹したという患者が何人もいます。中には医師から術前に「ステージⅡ」とか「ステージⅢ」とか言われていたのに、術後、「実際はステージⅣだったので、抗がん剤治療をします。」と言われた患者もいます。

 ステージⅣであるなら最初から根治手術不適応であり、すぐに開腹手術をするようなことはなかったでしょう。例えば術前化学療法によって腹膜播種を消滅させてから胃切除手術を行っていたかもしれません。医師は、種々の検査結果から、腹膜播種はないから審査腹腔鏡は不要と診断したのかもしれません。

 ただ、例えばCT画像で腹水が認められないから腹膜播種がないと判断しているとしたら、本当にそうですか?と問いたいのです。というのは、私は、確定診断前のCT画像ではわずかに腹水が認められましたが、その後は現在に至るまで腹膜播種がありますが、何回か行ったCT検査の画像では腹水が認められていません。

 つまり、腹膜播種があっても、CT画像で腹水が認められないこともあるということです。換言すれば、CT画像で腹水が認められないからといって腹膜播種がないことにはなりません。腹膜播種は、腹膜に細かい癌細胞がばらまかれている状態であるため、CT画像には映らないと聞いたことがあります。従って、腹水のことと考え合わせると、CTの結果だけでは腹膜播種の有無を判定することはできないと思います。

 また、腹水または腹腔内洗浄水を採取して細胞診をすることによっても腹膜播種の有無を判断することができるようです。細胞診の結果が陽性であれば腹膜播種ありと判断されます。しかしながら、これは、細胞診の結果が陰性であれば腹膜播種なしと判断できるということではありません。

 CT同様、PET―CTの画像にも腹膜播種は映らないと医師に言われました。つまり、PET―CTで検査薬の集積が認められないからといって腹膜播種がないと断定することはできません。腹膜播種や転移に限らず、何事も、何かがあることを証明するのは容易ですが、何かがないことを証明することは困難です。

 結局のところ、私自身が様々な検査を経験して思うことは、審査腹腔鏡や開腹によって医師が眼で確かめなければ(見える)腹膜播種の有無を判断するのは難しいのではないかということです。

 患者としては、医師から「CT画像やPET―CT画像で腹膜にがん細胞が認められない」とか、「腹水や腹腔内洗浄水の細胞診でがん細胞が認められない」と言われても、安心することはできません。最悪なのは、開腹してみたら腹膜播種でしたという場合です。これは、完全に医師や治療に対して患者や家族が不信感を抱きます。ステージⅡかⅢのつもりが開腹してみたらⅣでしたというのも同様です。

 希望の会には、このように「開腹したら...」という患者が何人もいます。そうならないよう、医師には慎重に診断にあたってほしいと思います。


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