明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては、新年を穏やかにお迎えになったこととお慶び申し上げます。
平素は、山口県医師会の会務運営並びに事業活動に対しましてご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げますとともに、本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年は、安定した安倍政権の様々な施策の実行により経済は穏やかな回復基調が続いていますが、医療を取り巻く環境は依然厳しく、慢性的な医師不足や医療の地域間格差、2025年問題を中心に超少子高齢化社会に合わせた医療提供体制の再構築など、多くの課題に直面しています。さらに、グローバル化が進む中、TPPの大筋合意や「日本再生戦略」の推進に伴う医療制度や医療経営の根幹を揺るがす問題や課題も山積しています。
また、医療現場においては、医師やコメディカルの不足、過重労働問題が顕在化しており、地域医療は崩壊の危機に直面しております。
こうした医療従事者の不足、過重労働問題などの根本的な解決のためには、国において医療に係る財源確保が充分に図られることが何よりも急務であると考えておりますが、私たち医療関係者は、常に県民から信頼される医療を目指し、安心かつ安全で質の高い医療提供体制を確保するため、医療関係団体、関係機関等がこれまで以上に一致結束することが大切であると考えております。
このような先行き不透明かつ厳しい社会経済情勢の状況下において、県民の医療と健康を守り、地域住民が安心して必要とする医療が過不足なく受けられる社会を構築していくためには、「かかりつけ医」を中心に地域の医師会と行政が主体となり、地域の実情を反映した地域に即した形での「まちづくり」を進めていくことが何よりも大切だと思われます。
山口県医師会は今後とも県民の生命と健康を守るために、医療が抱えるさまざまな課題に積極的に取り組むとともに、優れた「国民皆保険」と呼ばれる公的医療保険制度を守り抜き、多角的な活動等により、県民から信頼され、良質かつ効率的な医療提供体制の実現に向けて全力で取り組み、地域医療の充実発展に寄与していくこととしております。
今後とも皆様方にはご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
終わりに、今年1年の皆様方のご健勝、ご多幸を祈念して、年頭所感並びに新年のご挨拶とさせていただきます。