鹿児島大学病院 院長 熊本一朗

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 新年、明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに2016年の新春をお迎えのことと存じます。年頭に当たり、皆様にご挨拶申し上げます。

 昨年は10月から医療事故調査制度がスタートしました。また、特定機能病院には厚生労働省の「医療安全確保に関するタスクフォース」による集中立入検査が昨年は実施されました。

 その結果、特定機能病院には「より一層高度な医療安全管理体制の確保が求められる旨を医療法に位置付ける」とし、ガバナンス強化のため内部統制の在り方に大きな改革が求められています。

 具体的には、安全管理部門に専従の医師、薬剤師の配置することを原則義務化されそうです。

 しかし、医療安全推進元年と言われた2000年から15年が経ちましたが、医療からエラーを排除する試みは思ったほど成果を挙げていません。

 失敗から学ぶことには限界があるようです。

 犯人捜しは強力な後知恵バイアスに陥り、わかりやすい原因に落ち着かせてしまい不安定な医療システムがますます不安定になる懸念が生じています。ローラン・ドゴースの著書「なぜエラーが医療事故を減らすのか」(入江芙美訳・解題)では、「犯人捜しだけで医療がよくなるのか?医療という複合システムに内在するエラー失敗を活かすことこそ、真の医療安全につながる」と述べられています。

 昨年この著者ローラン氏は、一般新聞の連載で医療のレジリエンスを紹介していました。

 レジリエンスという語句は、もともと弾力、復元力という意味であり、防災分野では「災害に強い国づくり」心理学では「逆境でも折れない心を養う」として頻繁に使われてきています。

 すなわち、困難な状況に直面した際に、しなやかに状況に適応し、生き延びる力と言えます。

 医療では本質的には危険なシステムをなんとかやりくりして、想定外の事象が起きても被害を最小限にとどめて事態を収束させるような臨機応変に対応しています。医療安全の推進にはレジリエンスの考え方が必要です。

 特に特定機能病院では、医療安全面での真価が問われる2016年となりました。

 皆様のご多幸と、ご健勝を祈念し新年のご挨拶といたします。今年も何卒ご支援、ご協力の程お願い申し上げます。


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