高知大学 脇口宏 学長

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謹賀新年 予防医療に保険適用を求めましょう。

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 新年明けましておめでとうございます。皆様健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 法人化以降、国立大学に対する交付金は10%以上も削減され、その一方で医療・福祉は増加の一途をたどっています。教育費を削減しても、医療・福祉費を増額せざるを得ない社会情勢は十分に理解できます。しかし、毎年1兆円に及ぶ医療・福祉費の増額は、高齢化社会とはいえ策がないというべきでしょう。21世紀当初から実効性ある対策を進めていれば、ここまでは進行しなかったでしょう。少子化対策もしかりであります。

 高齢化社会では、医療・福祉費が巨額化することは当然ですが、高齢者が90歳過ぎまで健康で自立できれば、受益者に犠牲を強いることなく医療費や介護費を格段に削減できます。

 高齢者が健康に生活するには、生き甲斐と男性も料理・洗濯を含む家事を不自由なくこなせる環境に加え、予防医学の推進が必要です。健康維持は高額な再生医療によるのではなく、予防医学による老化との共存、そして地域住民の複数世代交流によるべきです。住民の年齢構成に多様性がない社会は、活性を失い、やがて滅びの道をたどる定めにあります。

 現在、国をあげて進めようとしているContinuing Care Retirement Community(CCRC)は、裕福な退職者の大学での学び直しが売りですが、体のよい老人ホームに終わるリスクを含んでいます。CCRC設置20〜30年後には、CCRCは要介護集団の場になるでしょう。

 人の流動性は研究者の世界だけではなく、地域社会にこそ必要です。入居者が高齢化し、要介護者や他界する人が増えれば、次の世代が入り込まない限りCCRCは崩壊に向かって進みます。未来の限界集落です。

 そこで必要となるのは、CCRCに大学だけでなく、こども園、小・中学校などを併設し、CCRC入居者と子どもを含む周辺の地域住民の交流と大家族意識の醸成であると考えます。高知県が提唱している『高知家』のように、地域の住民全員が大家族の一員という意識が高まれば、複数世代が混在して生き生きと活躍できる社会が実現できるのではないでしょうか。もちろん、これには高齢者が健康であることが絶対条件であり、予防医学の推進が鍵を握ります。

 予防医学を推進するには、予防医療に保険適用をすることが必要です。専門医の説明と時間は高価であるべきです。高い評価こそが、医療・福祉費の大幅な削減と我が国の国家財政の最適化を実現すると信じています。

 本年も引き続き、高知大学へのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。


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