鹿児島県医師会 会長 池田琢哉

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新年、そして「はやぶさプラン」

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 新しい年を迎えました。1年を表す一文字が、昨年は「安」でした。いろんな意味合いを含んでいるのでしょうが、ことしこそ「安心」「安全」「安穏」な年になることを、願わずにはいられません。

 高齢化と少子化が同時進行するという、我々がこれまで体験したことのない社会の到来を迎えて、地域医療充実のための更なる努力を、と自分自身に言い聞かせている年の始めでもあります。

 ところで、鹿児島県の医療機関には「このままでは 鹿児島に子どもがいなくなる。」といういささかショキングな文言のポスターが貼ってあります。地方都市や町村で分娩数の減少や、医師の高齢化で産婦人科の廃業が相次ぐなか、地域の中核病院でも産科の医師不足は深刻で、このままだと、「産科崩壊」の事態を招くことにもなりかねません。

 鹿児島県内では毎年1300人程度の看護師と、30人ほどの助産師が誕生しますが、その多くは県外に出て行き、都市部への「地域偏在」も顕著になってきているのです。

 そこで、「鹿児島県医師会」が創設したのが、「はやぶさプラン」なのです。新たな基金を設けて、地域医療に強い思いを持つ産科医、助産師、看護師を生活の面から支援、合わせて地域を担う人材を育てようと考えました。

 医師会員や関係機関の方からは、「はやぶさ」命名の意味を聞かれましたが、苦難の道を辿りながらも決してあきらめずに帰還した、あの小惑星探査機「はやぶさ」に、地域医療を守り抜くという思いを託しました。

 現在、基金創設のための寄付を募っていますが、医療関係者だけではなく、一般の企業からも多くの浄財が寄せられ、医療への関心の高さを感じるとともに、我々の果たすべき役割の重さを改めて受け止めているところです。

 平成26年から始まった社会保障制度改革の大きな柱は、地域包括ケアシステムの構築と、地域医療構想の策定だと考えます。この政策を両輪として、将来を見据えて、医療機能の分化と連携、医療と介護、福祉の協働作業をいかに作りあげるかが、大きなテーマであり、それには、医療に従事する多くの「人材」が必要であります。

 医療データ分析の第一人者でもある産業医科大学の松田晋哉教授は、地域医療構想に関しての勉強会で、カギになるのは、看護師さんなどのマンパワーだと、繰り返し述べられました。言い換えるなら、看護師などが不足すれば医療は崩壊しかねない、と警告されたのです。

 はやぶさプランは、小さな一歩かもしれません。しかしながら「一灯照隅」の心意気が、大きく輝く万灯につながり、一人でも多くの人材確保と、育成に繋がってくれればと願っています。

 新しい年、地方創生を目指す鹿児島県に「赤ちゃんの泣き声がする活気ある街」がたくさん出現することを、期待してします。


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