医療法人 住田病院 住田 靖尚 理事長・院長

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認知症、在宅・就労支援...「時代のニーズに敏感に反応を」

【略歴】1995 年久留米大学医学部卒業、九州大学医学部神経精神医学教室入局。国立別府病院、医療法人慈光会若久病院、特定医療法人天臣会松尾病院を経て、2005 年同院長、2010 年から理事長兼務。医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医

 104床もの認知症治療病棟を有する住田病院。赤い実をつけた柿の木やブロッコリー畑に目が留まる、自然豊かな環境に建つ。同病院の住田靖尚理事長・院長に話を聞いた。

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柴田英輔・法人企画室長(写真左)と柴田英徳理事長(写真右)

 高齢化社会で、今後ますます認知症の患者さんが増えていくと予想されています。これから20年ほどの当院の役割のひとつは、精神科の専門性を生かし、認知症に伴って妄想や幻覚、うつなどといった症状「BPSD」が出た患者さんを診ていくこと。難しいこともたくさんありますが、症状が出る前にいた施設やご自宅に帰られた患者さん、そしてご家族が喜ぶ姿に、やりがいを感じています。

■精神科としてBPSDに積極的に関わる

 BPSDの治療依頼がここ3年ほどで急増しています。地域の方、介護を担う方たちが困っている。地域医療を担う病院として、このBPSDを積極的に診る必要があると思っています。

 BPSDの場合、患者さんにゆったりと安心できる居場所を提供する「環境調整」だけで症状が落ち着くことがあります。私たちの病院は、精神科ですから、患者さんを温かく、やわらかく受け入れるそういった対応を得意としています。

 薬物での治療も大切ですが、それには転倒や誤嚥のリスクも伴います。入院するだけで症状が落ち着く方も多く、早い患者さんだと2カ月前後で、退院されていきます。

 環境がとても大切ですから、退院後の患者さんを受け入れるご家族や施設職員に対して、患者さんへの接し方の心理教育をすることもあります。また、施設への入所がなかなか決まらない患者さんは、受け入れ先が決まるまで入院していただくようにしています。

 認知症の方へのリハビリ、理学療法も積極的に行っています。大切なお父さんお母さんが認知症になった時、「何もしないで体力が落ちていってしまうのは避けたい」とご家族が思うのは当然です。体力や筋力などを維持できるよう、取り組んでいます。

■身体合併症がある認知症患者も受け入れる

 当病院の常勤医は6人で、そのうち1人は内科の医師。非常勤医は13人で、その多くは内科医です。内科医を置き始めたのは20年以上前、先代である父のころ。身体合併症がある精神科患者を受け入れる必要が出てくるという先見の明があったと思います。

 高齢化社会となった今、身体合併症のある認知症の方を受け入れられるのは当院の特長のひとつだと思いますし、その必要性はますます増していくと考えています。

■在宅支援、就労支援に注力

 国の政策で、精神科病院としても在宅医療支援へのシフトが求められています。

 当院は20年以上前からデイケア、訪問看護に取り組み、4年前には在宅医療を強化するため、精神科デイケア、訪問看護ステーション、ケアプラン作成センターを統合した「こころの杜」を新設しました。医療と介護の両面から在宅を支援しており、利用者も増えています。

 障害者の就労支援も始めています。今はまだ人手が足りず、少しずつですが、患者さん7〜8人を非常勤で雇用し、院内の清掃、外周整備をお願いしています。今後は就労支援施設に移行できればと思っています。

 また、今年から、職員寮をアパート化し、自分である程度の生活ができる段階になった患者さんに住んでもらうようにしました。訪問看護とヘルパーが部分的に入る形で、在宅サポートをしており、2年後をめどに、グループホーム建設も予定しています。

 入院していた方が退院した後、それぞれの人の段階に合わせて利用できる働く場、住む場所を整えていきたいと考えているのです。

■理想は24時間対応の精神科医療

 国の施策によって、入院に関しては24時間対応の精神科救急病棟(スーパー救急病棟)が全国的に新設され、短期で退院する傾向にあります。また、退院後には24時間体制で在宅支援するアウトリーチ支援が徐々に拡がりをみせています。

 当院でも時代のニーズに敏感に反応し、積極的に改革を行う必要があると考えます。

 少子高齢社会が進み、今後人口はさらに減っていきます。赤字病院が増え、病院の閉院や廃合も進むでしょう。病院も攻めないと生き残れない時代だと思いますね。


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