学校法人 藤田学院 鳥取看護大学 近田敬子 学長

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教育とは未来をつくること【山陰初】今年4月1日 4年制看護大学が倉吉市に開学

1961 高知県立女子大学家政学部衛生看護学科を卒業し京都市衛生局に入職。1977 京都大学医療技術短期大学部―小児看護学分野助教授。1993 兵庫県立看護大学―基礎看護学分野教授。学生部長兼任。同大学院の修士課程・博士課程で看護学教育分野教授。2005 園田学園女子大学・学科設置準備室を経て人間健康学部人間看護学科学科長。2015 鳥取看護大学設置準備室顧問を経て現職。兵庫県看護協会長の経験などから兵庫県教育功労賞を受賞(2004)。「まちの保健室」事業で厚生労働大臣表彰。

地域もキャンパスにして

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―山陰初の4年制看護大学が開学した経緯は。

 山陰地方が急速に高齢化する中で、慢性的な看護師不足と、高度化した医療への対応が迫られていました。そして看護の道に進みたい人は、近くの県外に出て行く、もしくは専門学校に行くという実態がありました。

2012年に鳥取県看護連盟が、藤田学院に看護大学設置の要望書を提出、県知事と県議会議長にも陳情書を提出しました。地元民間団体も同じ年に、「看護大学の中部地区誘致を推進する会」を持つなどの活発な動きがあり、翌2013年には県と県中部の1市4町が、藤田学院に対して公的支援を決めるなどして、今年2015年4月の開学に至りました。

―学長も設置準備室顧問として苦労があったのでは。

 私自身は、およそ10年の看護実践を経験したほかは、看護学教育一筋に取り組んできました。どの教育においても新設校の立ち上げに関わり、時代の要請を見据えながらの教育に従事してきました。教育とは未来をつくることです。実務としての困難はあったにしても、自分は未来をつくっているという意識は常にありました。本校の教育の設計として、地域に貢献する看護職を育てたいという思いがあります。

―卒業して地元に残ってくれそうですか。

 地元指向は、十年くらい前から見られました。何かあったらすぐ親元に帰れるという距離です。ただ、学生に先日聞いてみましたら、この町は映画館が少ないのが残念だと言っていました。だからといってこの町が嫌なわけでもないようです。

 教える側としては、少しでも地域に魅力を感じられるような教育が必要だと考え、山陰の良さを再発見してもらうために、教科の中に「山陰論」を入れました。もう一つは、地域をキャンパスにするという考え方を打ち出しています。場所としてだけでなく、地域の人たちと関わることで、教育的な営みが芽生えることを意識しています。そのことを住民の皆さんが理解してくれ、教育に参加しようと思っていただいていますので、学生にはいい刺激になっているようです。受け入れられ、期待されることで満足感も高まりますよね。そこがこの大学の大きな特徴だと気がついている学生もいるようです。ですから、当大学の交流ホールで毎月1回開催している「まちの保健室」にも学生がボランティアとしてエプロン掛けで参加していますし、地域に実習に出向くと住民の方に誘われて、自分の判断でウォーキングにも出ているようです。病院実習よりも前にそのような教育がある。そこはスタートした時の特徴だと思います。

―地域を織り交ぜた教育は、まさに実践的ですね。

 ここでのカリキュラムは、保健師助産師看護師法という、法律に基づく看護師養成プログラムがあって、それをクリアしなければ国家試験を受けられないのは当然のことです。希望すれば保健師の資格も取得できる教育設計にしてあります。

 そうなりますと、最初の段階で地域を知り、次に病院で実習し、最後にまた地域に戻るという流れの中で、卒業した時には地域に関心の寄せられる存在になっていると思います。どの病院に勤めても、患者さんの生活背景を感じ取り、それに応じた仕事ができるはずです。そのためには主体性や積極性というものを同時に育てていかなければなりません。そこに、いろんな価値観を持っておられる地域の方の手を借りられればと思っています。病院の中から地域をイメージしなさいと言ってもわからないでしょうからね。患者さんを見て、どこから来られて、どこへお帰りになるんだろう、というような感じ取り方です。そこが、無意識のうちに育ってくれることを期待しているんです。この大学の母体である藤田学院が地域指向であることも大きな助けになっています。

 それと、新しい学校の一期生だからでしょうか、自分たちががんばらなければというエネルギーにあふれて、いろんな活動に積極的です。後輩たちにつなげなければという使命感があるんでしょうね。もちろん失敗もするでしょう。そこから新しい発見があればと思います。今はそれを見つめているところです。


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