福岡国際会議場などで第39回日本眼科手術学会学術総会|学会テーマ[小さな矜持]2016 年1月29 日( 金)~31 日( 日)
インタビュー開始が30分ほど遅くなった。緊急の手術が入ったという。
「以前は治療できなかったものでも、早く手術をすれば視力が回復するようになりましたから、手術自体は増えています」。そう語る林研理事長に、来年1月29日(金)から同31日(日)までの3日間、福岡市の福岡国際会議場、福岡サンパレス、福岡国際センターで開催される第39回日本眼科手術学会学術総会について、総会長としての思いを聞いた。
―過去にも総会長を経験しています。今回はどんな姿勢で臨みますか。
日本眼科手術学会がこのたび公益法人になり、その総会の色合いが濃いこともあって、こちらで特別な準備をすることはありません。そうは言いましても、充実した学会であってほしいですから、一般講演の応募数が気になりますし、各種シンポジウムもうまくいけばいいなと思います。
当学会は、眼科手術に関する学術研究の発表と、手技の教育という2つの柱を持っています。今大会ではそれを踏襲しつつ、手技の工夫やコツの伝承という、技術面重視のプログラムになりそうです。
特別講演は、日本医科大学の高橋浩教授に、手術侵襲に関する講演をお願いしておりますし、2014年度ノーベル物理学賞を受賞された中村修二カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の招待講演も予定しています。また、せっかく福岡で開催されるのですから、おもてなし企画もいくつか考えました。私自身は、楽器はできませんが音楽鑑賞が好きで、ドクターの世代に合わせてジャズとポップスを準備しました。いずれにしましても、福岡での開催が心待ちにされるような学会であればと思います。
―学会テーマを「小さな矜持」にした思いは。
眼科医は、初心者から熟練した術者まで、それなりの矜持を持って手術に取り組んでおられると思います。これは手術を志す者にとって欠かせないものです。手術に対する考え方は術者で異なると思いますが、自身のこだわりを持ち続けることが、より良い結果を生むと信じています。
―学会成功の手ごたえはどこで感じるものですか。
私個人としては、新しいアイデアがいくつも生まれること、活発に論議する中で新たな方向性や独自性が見出せること、などではないでしょうか。単純に参加人数だけではないと思います。
―研修生や若い医師に望むことは。
大上段に言うつもりはありませんが、私自身は論文を書くことがライフワークで、1984年から今日まで188の論文が海外の雑誌などに掲載されています。しかしながら最近の日本の若い先生方は国際的なところにあまり目をやらないようです。国際学会では中国や韓国の医師のほうが発表や論文の数が多く、もう少し国際的な視野を持ってがんばってほしいですね。
―2015年10月に分院「林眼科・春日診療所」を春日市星見ヶ丘に開院しました。
本院と連携しながら地域での役割と機能を明確に認識し、あらゆる目の病気に対応します。2016年1月からは本院の精鋭手術スタッフにより白内障手術をスタートする予定で、春日市の皆さまに最新の眼科診療を提供したいと考えています。