医療法人社団 新風会 玉島中央病院 高越秀和 理事長・整形外科部長
―地域における当院の役割、機能分化について。
基本的には地域完結型病院の一角を担うことを目指しています。
病院の機能分化については、岡山県倉敷市の玉島地区にある同規模の病院の役割がそれぞれ分かれており、自然と機能分化されています。
その中で、当院は急性期を担当し、一般病床が中心です。もちろん回復期も30床置いていますが、DPC(医療費の包括払い制度)も取り入れていますので、長期入院は難しいという面もありますね。
そこで、療養型病床を持っている病院や内科系中心の病院との連携を密にして、たとえば、当院で急性期が終わった方で、まだ療養型病床で入院治療が必要だという方は、そちらにお願いすることもあります。
在宅医療については、当院には介護老人保健施設もありますので、そこでワンクッションおいてから在宅に進めることができます。さらに、訪問看護や訪問リハビリも提供しています。
在宅医療を中心に診ている開業医の先生方とも密な連携を取らせていただいています。
2008年からは2カ月に1度、地域連携の一環としてMSW(医療ソーシャルワーカー)の連携会を開催しています。当院が声をかけて始まったもので、玉島・浅口地区の11医療機関が参加しています。
―病院の将来像。
超高齢化社会をむかえるにあたって、地方の病院でも最良・最善の、そして最先端の医療を提供できるように日々努力することが大事になってくるでしょう。たとえば、ロコモティブ・シンドロームの予防ができれば、元気に生活できる「健康寿命」を延ばすことができますし、ひいては医療や介護にかかる費用を抑えることもできます。
当院としても、けがや骨折で動けなくなっても早期に離床して元気に日常生活に復帰していただく、健康寿命をまっとうしていただくことのサポートが大きな役割になってくると思います。
また、当院では急性期と回復期を担当し、あとは老人保健施設でケアしますので、在宅へ向けての橋渡しもできるでしょう。医療・介護提供体制も変わってきますので、その中で地域包括ケアにも取り組んでいきたいと思います。