総合診療医の育成が急務です

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あま市民病院 赤毛 義実 院長

赤毛 義実(あかも よしみ)
1981 名古屋市立大学医学部卒業 同大学病院第一外科研修医 1982 菰野厚生病院医員 1984 名古屋市立大学病院研究医 1986 国立浜松病院医員 1989 名古屋市立大学病院研究医 1991 多治見市民病院医長 1993 名古屋市立大学病院研究医 1994 同助手 John Wayne Cancer Institute Visiting Researcher 1995 名古屋市立大学病院中央手術部助手 1999 同第1外科講師、呼吸器外科副部長 2000 同中央手術部副部長 同助教授 准教授 2010 名古屋市立緑市民病院副院長 2011 あま市民病院副院長 2012 同院長

 現在、あま市民病院は新病院を建設中。今年11月の開院に向け、着々と工事が進んでいる。

 赤毛義実院長に新病院の特徴や地域医療への思いについて聞いた。

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赤毛義実院長の趣味は登山。北アルプスに登ることが多いそうだ。

■安全性と快適性に優れた新病院

 地域の中核病院として2次救急を担う安全性と快適性に優れた施設になる予定です。

 建物は耐震設計で、大規模な地震にも耐えられる構造にしています。津波などの災害時にも医療が提供できるように最上階に電気機械室、屋外型の非常用発電機、機械室、室外機などを設置して冠水の被害を防ぎます。また、地下駐車場への冠水防止のために地下スロープの降り口の高さを前面道路より1㍍かさ上げし、診療機能を守るために1階の床レベルを前面道路よりプラス2.2mの高さに設定しました。

 外来の患者さんの利便性を考慮して、1階に患者数の多い外来診療科、2階は専門性の高い外来診療科を配置しました。

 入院患者さんの療養環境に配慮して、建物の上層部の3階はリハビリを中央に配置し、回復期リハ病棟と機能連携した回復期エリアとして、4階は手術部門を中央に配置した急性期エリアにしました。

 患者さんの快適性と周辺環境との調和などに配慮しながらも、スタッフが働きやすい病院にもなったと自負しています。

■早期のリハビリの重要性

 これからは入院中から積極的にリハビリをして、自宅に戻ったその日から不自由がない完全な状態で退院させてあげることが大事だと考えています。

 大きな病院だと患者数が多く、人員的な問題もあり、すぐにリハビリをすることができませんが当院は作業療法士、理学療法士の数も十分にそろっていますので、入院した翌日からリハビリを開始できます。

 愛知県の高齢者の割合は25%で、ほぼ全国平均だといえます。老老介護や独居世帯も多いので、積極的なリハビリを行って健康な状態で自宅に帰してあげることが我々に課せられた使命だと感じています。

■検診の重要性

 病気だけでなく地域住民の健康管理もしなければなりません。2カ月に1度、市民公開講座や老人会で健康講話を開き、市民への健康への啓蒙(けいもう)をはかっています。

 高齢化が進むほどがんになる確率が高くなるので、外科も高齢者の手術例が増えています。こまめな検診によって早期にがんを発見できれば、予後も良好で手術前と同様の生活を過ごせ、健康寿命を延ばすことが可能です。

 これからも検診の重要性を説き続け、市民の健康に寄与していきたいと考えています。

■スムーズな連携

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11月に開院予定の新病院

 これからは大病院のみが生き残り、中小規模の病院は存続が危ぶまれています。当院は地域に根差した病院ということを持ち味にして、荒波に立ち向かっていかねばならないと思っています。

 病病連携・病診連携に関しても、地域の病院・診療所と密な連携を図っており、とてもスムーズにいっていると実感しています。高齢の患者さんは自宅から遠く離れた病院に行きたくないというのが本音です。家族の介護の問題もありますし、なじみのない土地に行くのは心細いと思います。

 この地域では紹介を受けたら治療し、すみやかに地域に帰すシステムが整備されています。

■総合診療医の育成

 医師は、どうしても専門志向が強い傾向がありますが、高齢化社会においては専門性を突き詰めるだけの医師は地域の医療需要にこたえられません。

 患者さんは、ひとつの病気だけで入院するとは限りません。メインの疾患のほかに色々な病気を併存してみえることも多く、総合診療医の役割が求められます。

 もちろん核となる専門性は必要ですが、そこから枝葉を伸ばし、ある程度、幅広い領域を診られる医師が求められているんです。

 私が学生のころは医局制度が強く、教授に言われれば、どんなところにも行かなければなりませんでしたが、新臨床研修制度の導入で、若い人は都会の大病院に集まり、専門医指向が強まりました。

 院長は、医療はもちろん、経営や教育にも携わらなければなりません。専門医指向が強い昨今で、地域医療を守るために、幅広い知識を持った総合診療医を育成することが私の使命ですね。


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