夢は急性期から在宅まで含めた良いシステムをつくること

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社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院 荻野 和功 病院長

荻野 和功 おぎの かずのり
■略歴■1978 神戸大学医学部 卒業 1992 聖隷三方原病院 外科 2000 聖隷三方原病院 副院長 就任 2003 聖隷三方原病院 院長 就任

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■県内最多ベッド数、高度急性期病院

 この病院のベッド数は934床。静岡県の中で1番大きいんですね。

 今年3月に高度救急救命センターに指定されてドクターヘリも配備しており、超急性期、高度急性期病院を目指しているわけですが、それのみに特化していないというのが当院の特徴です。

 例えば日本で最初につくったホスピス病棟は今も多くの方を受け入れています。結核病棟、精神科病棟、リハビリ病棟...。経営効率的に言えばよくなくても、地域で必要とされる医療は大切に育ててきました。さらに重症心身障害児者施設「聖隷おおぞら療育センター」を附属施設として持っているほか、介護老人保健施設も併設しています。

■「困った人に手を差し伸べる」という文化

 聖隷福祉事業団としての歴史は85年あります。1930年、当時は不治の病とされていた結核の患者さんが行くあてなく困っているのを知った若いクリスチャンが私利私欲のない活動で掘っ建て小屋のようなものを建ててそこでお世話をしたのがこの病院の始まりです。

 結核は空気感染します。建てた当初はもっと街中にありましたから迫害も受けたそうです。でも、地元に認めてもらいたいと活動を続け、だんだんと力をつけた。ですから、聖隷福祉事業団のルーツは、この病院じゃないかと思っているんです。

 「困った人に手を差し伸べる」という精神は医療の原点です。その文化はずっと引き継いでいかないといけないと思っています。

■この地域に住んでいて良かったと思ってほしい

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 診療圏は長野県との県境辺りまで。ものすごく広大です。その大きな診療圏でこの病院が中核となって、急性期から在宅までも含めた良い医療システムをつくりたいというのが将来の夢です。「この地域にいてよかったな」と思ってもらえるようなシステムを。

 そういう意味では、以前多かった病院完結型ではなく、地域完結型医療を目指してきましたし、これからも目指していかなければと思います。そして、そのために必要なのはやはり多施設連携なんです。

 これからは少子高齢化がさらに進みます。そして国からは、2025年に向けて、2次医療圏を基本とした地域医療構想を考え病床数調整などの改革を、と言われています。

 この地区は高度急性期に手を上げている病院が多く、静岡県の中でも非常にバランスが悪い地域なんですね。でも、この病院は完全に高度急性期に特化することはできないわけです。周辺からたくさん来られる患者さんに「他のところに行ってください」なんて言うわけにいかない。今まで大切にしてきたホスピスを高度急性期に当てはまらないからと外すこともしたくない。重症心身障害児施設も、ずっと守っていかなければいけない。難しい調整になると思います。

■医療者が現場から逃げなくてすむ環境を

 急性期病院にいる勤務医は、日進月歩の医療自体についていくために常に勉強をし、学会で発表をして、外科系の医師なら手術などの腕を磨く。患者さんのために学び、患者さんに返すことがすべてです。

 医師に限らず、急性期病院の職員は非常にハードで大変です。求められることが多いですから。そんな職員たちが長く働き続けられるような環境をつくることが、病院長になって、1番難しかったことですね。

 効率的にできるところは効率的にし、クラークなども入れて、現場の負担が少なくなるようにしています。医療者が現場から逃げてしまったら、結局地域を守れなくなってしまう。そう思っているんです。


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