キーワードは「地域」と「教育」

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独立行政法人国立病院機構 関門医療センター 林 弘人 病院長

1983 山口大学医学部卒、同第2外科入局 1989 同助手 1998 同講師 2000 国立下関病院(現国立病院機構関門医療センター) 外科医長 2005 国立病院機構関門医療センター研修部長 2009 同センター副院長兼研修部長 2015 同センター病院長
■専門領域 消化器外科 食道外科 内視鏡外科
■専門医・認定医 日本外科学会認定医・専門医・指導医 日本消化器外科学会認定医・専門医・指導医 消化器がん外科治療認定医 日本内視鏡外科学会評議員 日本食道学会評議員 日本医学教育学会評議員 日本外科感染症学会評議員 日本がん治療認定機構暫定教育医 日本臨床腫瘍学会暫定指導医 など

 関門海峡を臨む場所に建つ関門医療センター(山口県下関市)。4月就任の林弘人病院長に、目指す病院像を聞いた。

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 まずは「地域の皆様の健康と医療を守る」ということ。地域住民、開業医の先生方、民間病院、行政、救急隊の方々からの信頼が必要ですし、その信頼を一層増していただくための努力をしていかなければなりません。これは就任時から職員に話をしています。

 逆に職員に対しては「共に働く仲間と家族を守る」ということを最初に伝えました。働きがいと誇りを持って仕事ができる職場にしたい。そのために私が重要視しているのがチーム医療です。「チーム関門」としての連帯感を強化していきたいと思っています。

 さらに「医療・研修において一切の見返りを求めない」というのも私の考えです。ここは研修病院で、私は2005年から院長就任直後まで研修部長を務めました。医療と教育には通じるものが多くあるんですね。教育では指導する側は研修医などの成長に寄り添い、自分で解決する能力をつけるための手伝いをする。医療では患者さんが治ろうとするのを手伝う。伴走者なんです。また、どちらも相手への愛、思いやりが大切です。研修医には、病院や指導者に恩返しをする必要はない、するなら後輩に、と伝えています。

異職種も大切にする組織に

 私が教育に本格的に取り組み始めたのは富士研(医学教育者のためのワークショップ)で日野原重明先生( 山口県出身)に会った2001年。その時、夜中まで、いい医師をつくるためにはどうしたらいいのか話をしました。日野原先生から最後に「一流の研修病院を作ってください」と言っていただき、「承知しました」と。以来、教育内容の充実に努力してきました。

 今後は新専門医制度に対応するためプログラムを見直し、臨床研修ブランドをさらに強化していきたいと考えています。

 私は研修医に限らず、どんな職種の人にも一生懸命指導します。看護師、薬剤師、栄養関係など、どの職種の人も他の職種の人を大事にする。それを組織文化として醸成していきたいと思っています。

 今年も、6月に全職種の新人を集めた多職種合同研修を開きました。センターの基本的なシステムなどを理解することはもちろんですが、多職種の人ともコミュニケーションをとり、それぞれができる仕事を理解しあえる、顔が分かるようになるというメリットもあります。

 さらには、なぜ自分たちが医療を目指したのか、その思いにもう1度立ち返り、共有し、それを核にして伸びてほしい、初心を忘れないでほしいとの願いも込めています。

地域の信頼を得て、地域に還元する

 地域連携のためにセンター独自の「登録医」制度を設けています。センター内の登録医室の利用や各種研修会の案内、医療機器の共同利用などさまざまな特典があり、登録医数は現在約100人。今後は1・5〜2倍に増やすのが目標ですし、顔の見える関係からさらに踏み込んだ心の通う関係を構築しないといけないと思っています。

 地域連携部門を強化するために、機構本部にお願いして、この4月から副院長2人体制にしてもらいました。特命副院長として、力を発揮してもらいます。

 院内事故調査制度が制定され、10月から施行されます。当院の院内事故調査はもちろんですが、地域の診療所などで何かあった時には、われわれが入って一緒に調査をするために体制強化が必要です。

 院内事故調査制度については、国立病院機構が支援団体として手を挙げていますし、私自身山口県医師会の常任理事をしています。県医師会、大学とも連携しながら中心になってやっていきたい。それが地域の患者さん、開業医の先生方、双方にとっての「安心安全」につながればと考えています。

 このセンターの魅力を挙げるとするならば、関門海峡と行き交う船や朝日が見えるこの美しい景色と「人」でしょう。

 レストランや売店の方たちは研修医の健康を気遣ってくれます。ボランティアの方々は、センター内を見学するツアーや音楽、ダンスなどの催しを定期的に開催してくれ、もう12年になります。

 医療従事者に限らず、病院にいる皆さんが患者さん、病院のために心を砕いてくださる。最先端の機器もありますが、やっぱり宝は人なんです。


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