地域医療のゲートキーパーとして -地域医療の現状と未来について吉野事務長と語る-

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医療法人 玖寿会 高田病院 山下太郎 院長

1993 年 福井医科大学(現:福井大学)医学部卒業 同大学第1 内科入局、同大学附属病院にて研修 1994 年 京丹後市立弥栄病院内科 1995 年 島田市立島田市民病院内科 1997 年 福井医科大学第1 内科大学院 2001 年 林病院(福井県越前市)内科部長 2010 年 大久保病院 2013 年 医療法人玖寿会高田病院院長

地域医療を守る■

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やました・たろう
■医学博士/愛知県立旭野高校卒業

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山下 昭和元年である大正15(1926)年に創立されて、もうすぐ90周年をむかえます。内科系と整形外科を中心に、地域の3病院のなかでは最大の病院です。

 3つの病院の病床すべてを合わせても120床に届かないため、地域の病院で診療可能なもの以外は高度急性期病院への橋渡しが重要です。適切に判断して割り振るゲートキーパーという働きと急性期からの患者さんを地元で受け取って見守るという役割ですね。

 地域で唯一、地域包括ケア病床を持っていますので、急性期で治療して病状が落ち着いた方やリハビリが必要な方を受け入れています。

吉野 背伸びせずに、地域住民の困りごとについて、ここに来たらなんとかしてもらえるという信頼感を与える病院でありたいです。

 ゲートキーパーとして診療の精度を上げるために80列のCTを導入しました。地区では珍しい放射線科の常勤医師もいますので、スピーディに精度の高い治療を受けられます。

山下 急性期で治療をして、地域で引き続き治療するとなるとリハビリが必要ですので、2年前はいなかったリハビリスタッフを13人にまで増員しました。

吉野 訪問リハビリの経験もあるスタッフがいるので、この地域では初めて訪問リハビリを始めました。地元出身者がOT(作業療法士)やPT(理学療法士)として帰ってきてくれたのも大きかった。当たり前のことをしていくと、どんどん人が増えてきた感じです。

山下 医療精度の向上や病院機能の充実のほかにリハビリを充実させて在宅にもどすルートが必要です。そのため、長期入院に備える20対1の療養病棟も準備しています。また、この規模の病院としては珍しくソーシャルワーカーを2人置き、大分大学大学院に通わせています。地域の医療機関で新卒者が入ってくるのは当院だけで、人的資源こそが宝です。

2025年問題■

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高田病院 ・吉野幸太郎 事務局長

山下 おそらく、厚労省は地方の病院についてゆるやかな吸収合併、いわゆるM&Aを進めるのではないでしょうか。

吉野 地域医療構想のなかでどういう役割を果たすのか、が問われています。3つの病院を機能分化させればまだまだ存在意義はあります。

 地域のクリニックと病院が共同で運営するべきで、CTをすべての病院が備える必要はないんです。3つの病院が協力すれば2030年をむかえても病床数を維持できると思います。しかし診療報酬が削減されるでしょうから、医療の効率化の側面では連携は欠かせないでしょう。

消滅可能性都市■

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13人の若いスタッフが揃うリハビリテーション室

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80 列のCTスキャナー

山下 限界集落の問題でも、その地区の医療や介護をどうするか真剣に考えています。

 コンパクトシティにしてそこに集めればいいと言うが、地区での長い生活、人生はその方の歴史でもあるのでそれを奪うということはとてもできない。

 医療だけではなく介護を含めたシステムをどう作りあげるか、私は限界集落だからできることがあるんじゃないかと模索しています。自治体でバスを走らせるとか、医師やソーシャルワーカーが家庭訪問してまわるという案もありえます。

 隣の日田市でさえ消滅の可能性があるんですから、大分県で消滅可能性都市でないのは大分市くらいです。なにをしても無駄だと考えずに、行政を巻き込んで大いに議論すべきです。効率化と機能を突き詰めた新しい共同体を作りたいですね。その新しいコミュニティに医療がどう関わっていくのか。

吉野 実現可能性は置くとして、そう考えたほうが楽しいでしょう。高齢化で人口が減って希望のない未来が来るというのは寂しすぎます。新しい時代は自分たちでつくらなければなりません。


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