貞本病院と愛媛大学脳神経外科が記者会見

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超音波治療機器(エクサブレート・ニューロ)を用いた本態性振戦治療について報告

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貞本病院で行われた記者会見の様子。地元テレビ局や新聞社など4 社が集まった。写真左から愛媛大学医学部脳神経外科の大西丘倫教授、貞本病院の貞本和彦院長、同院の伊賀瀬圭二脳神経外科部長。(5月29 日撮影)

 MRガイド下集束超音波治療機器(エクサブレート・ニューロ)はイスラエルのインサイテック社が開発した、頭を開けずに、超音波で治療部位をMRIでリアルタイムに確認しながら正確に治療が行える画期的な機械だ。

 愛媛県松山市の医療法人和昌会貞本病院(貞本和彦理事長・院長)と愛媛大学医学部脳神経外科(大西丘倫教授)の共同研究チームでは、2013年12月25日に同機を西日本で初導入した。(日本で2台目、世界でも8台目)。

 貞本病院では、この機器を用いて本態性振戦の治療を行い、その有効性と安全性を確認する臨床試験を、伊賀瀬圭二医師(貞本病院脳神経外科部長)の指導のもと、貞本病院と愛媛大学脳神経外科が共同で行っている。

 本態性振戦とは、原因不明の手の震えが起こって字が書けない、コップを持って飲み物を飲むなどの行為が手の震えのため行えないなどの症状がでる病気。貞本病院では臨床試験1例目を3月1日に行い、治療に成功。その後、2例目を4月21日、3例目を5月26日に行い、すべて成功して予後も良好だという。

 通常の開頭手術では術後1週間程度の入院が必要だが、エクサブレート・ニューロでは即日退院が可能だとのこと。

 エクサブレート・ニューロでの治療は現時点では厚生労働相の認可を得ておらず、機器認定に向けてインサイテック社との共同臨床研究の途上にある。

 現在は、薬剤が効かない本態性振戦の治療における安全性と有効性に関する治験を施行中であり貞本病院では症例数10例を予定している。今年中にはその目標をクリアできる見込みだ。

 このデータを基に、アメリカ合衆国食品衛生局(FDA)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請を行うことになっている。

 大西教授によると新しい集束超音波治療器は、本態性振戦以外にも様々な脳の疾患に応用できる可能性があり、将来、脳腫瘍や認知症治療にも有効だと期待されているそうだ。安全、正確、低侵襲なこの治療法に勝るものは現時点では見当たらないそうだ。

 会見の後半には手術を3日前に終えた広島県福山市在住の60代男性が会見場に登場。男性は6年前に発病。術前はコップを持つ手が震えて水をこぼし、文字をまっすぐ書けなかったが、現在では問題なくこなせるようになって手術を境に人生が変わったと話した。

 40年来のライフワークであるライフル射撃のスコアもあがり、愛媛で再来年開催の国体出場を目指しますと満面の笑みをたたえて語った。

 手の震えや術後の痛みもないとのこと。最後に、「長年、悩まされてきたのが嘘のようだ。私と同様の悩みを抱える多くの人たちがこの治療によって助かることを願っています」と述べた。

◆医療法人和昌会貞本病院について

 貞本病院は、1971年に、中四国では初めての脳神経外科を中心とした、耳鼻咽喉科、内科・循環器科、放射線科、リハビリテーション科の専門病院として開設。1980年、貞本和彦院長は国産CTスキャナ開発研究(日立メディコと共同)により日本医師会最高優功賞を受賞。また、1989年には中磁場MRAの研究(日立メディコと共同)により北米放射線学会賞(RSNA賞)を受賞した。

 2005年3月からは、全国に先駆けてGE社3テスラMRI装置をさらに愛媛県下では初めて64列VCTフラットパネルDSA、VOLUSON4D超音波装置などを導入して、未破裂脳動脈瘤の診断治療のほか脳・心臓血管センターとして、愛媛大学抗加齢センターの3テスラMRIドックの委託を受けた。

 このほか、日本脳神経外科学会専門訓練病院・日本脳卒中学会専門医研修教育病院などの活動も行っている。

 エクサブレート・ニューロの導入に伴い、脳の病気に対する先進的・専門的治療を行う「貞本記念脳疾患センター」を2016年1月に開設する予定。センターでは手足の震えはもとより、脳腫瘍、脳卒中、認知機能障害など、さまざまな脳疾患に対して専門的な治療を行う。

 貞本院長は、「愛媛発の先端医療が世界をリードする日も近いだろう」と展望を語った。


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