第118回日本循環器学会 九州地方会

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次回開催 ●第119 回 日本循環器学会九州地方会
2015年12月5日(土)/於:アクロス福岡
会長:上野高史・久留米大学病院循環器病センター教授

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 6月27日、118回目となる日本循環器学会九州地方会がアクロス福岡(福岡市中央区)で開催された。会長は福岡大学筑紫病院循環器内科の浦田秀則教授。あいにくの雨の中、九州地方を中心に集まった807人が7会場に分かれて最新の研究報告に参加し、あわせて行われた各セッションやセミナーでは多様なテーマについて意見が交わされた。本紙では浦田会長による教育セッション1と第1回禁煙セッション、第4回男女共同参画講演の模様をレポートする。(文責:編集部)

教育セッション1:ヒトキマーゼ研究の歩み

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浦田秀則
福岡大学筑紫病院循環器内科教授

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荒川規矩男
福岡大学名誉教授

 開会あいさつに続いて教育セッション1に登壇した浦田会長は、「ヒトキマーゼ研究の歩み」と題して、研究者としての歩みを振り返りつつこれまでの研究成果について発表した。座長は浦田会長の恩師でもある荒川規矩男・福岡大学名誉教授。

 浦田会長は、1980年に高血圧治療の運動療法について研究を開始。1986年までに運動不足と高血圧の因果関係を明らかにした。

 その後、米国・クリーブランドクリニックへの留学を経て、昇圧作用を持つアンジオテンシンと交感神経に密接な関係があることを解明。また、食塩とキマーゼが連携しており、食塩過剰摂取が腸管のキマーゼを活性化させて高血圧に関与していることを突きとめた。

 福岡県工業技術センターの生物食品研究所と協力した、キマーゼ抑制効果を持つ食品を探る抽出物検査では1000種以上の食品をスクリーニング。紅タデ中に含まれるヒペロシドのプラセボ対照前向き比較試験ではキマーゼ抑制に良好な傾向が確認されたという。

 浦田会長は最後に、「塩をたくさん摂取している方でも運動療法やヒトキマーゼを阻害することで高血圧治療を行える」と、ソルト・キマーゼ系を提唱して発表を終えた。

第4回 男女共同参画講演

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小川厚教授

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詠田由美院長

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熊谷尚子助教

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樗木晶子教授

テーマ/これからの医療現場―いきいき女性医師の存在―理想と現実の接点を探る

 座長:樗木晶子(九州大学大学院医学研究院保健学部門教授)、詠田由美(IVF詠田クリニック 院長)

 演者:小川厚(福岡大学筑紫病院小児科教授)

 演題:以前より女性医師の多い小児科での経験

 熊谷尚子(福岡大学筑紫病院循環器内科助教)

 演題:女性内科医の医療現場での実情―男女共同参画について

 詠田由美(座長兼務)

 演題:いきいき女性医師を育てるために求められる上司と社会

 小川教授は、男女共同参画社会やワークライフバランス(WLB)を実現することは、少子化対策や人材確保の手段であるだけでなく団塊世代の大量退職を見据えた男性支援策でもあると提言した。福岡大学筑紫病院小児科では、2007年に男性医師6人、女性医師1人(当直あり)だった体制が2010年には男性4人、女性5人(当直なし含む)と男女比が逆転。グループ主治医制の導入や当直翌日は休みにするなどの制度を取り入れて家庭生活を大事にすることで仕事の質と効率が上がる、とWLBの効用を紹介した。

 熊谷助教は、知人女性医師へのアンケートを基に女性医師の置かれた現状と課題を問題提起。アンケートの結果として、男女間で体力の差を感じる女性医師が多いことや、男女別の待遇を希望する比率が高いことが紹介された。そのうえで対応策として当直免除や当直回数減、妊娠・育児中の融通などの待遇案が示された。

 詠田院長は、妊娠中の働き方について産婦人科医として独自の見解を披露。妊娠のしくみや妊娠中の体調、ホルモンの変化をよく理解し、キャリアを中断しないための働き方を試行錯誤してほしいと語った。

第1回 禁煙セッション

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飯田真美内科部長

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すわん君クリップ

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座長の瀧原圭子教授(左)と、野出孝一教授

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大和浩教授

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第1回禁煙セッション

 座長:瀧原圭子(大阪大学保健センター教授)、野出孝一(佐賀大学医学部循環器内科教授)

 演者:飯田真美(岐阜県総合医療センター内科・循環器内科部長)/大和浩(産業医科大学産業生態科学研究所健康開発科学研究室教授)

 飯田内科部長は、2010年に改訂された禁煙ガイドラインについて概要を説明。ガイドラインは「喫煙は病気、喫煙者は患者」というスタンスから、胎児・小児への影響も大きいとして、喫煙による健康被害全体を防止するために口腔衛生学会や肺癌学会など9学会が合同で作成された。緊急の問題点として、未成年の喫煙防止が不十分であること、禁煙を推進するための社会制度や政策が不十分であるなどの4項目を提示している。会場には、禁煙啓発キャラクター・すわん君も登場し、毎月22日を禁煙の日としてアピールしていくことが紹介された。

 続いて登壇した大和教授は、喫煙可の飲食店内のPM2.5は北京と同じ程度であるとのデータを示し、未成年者を含む従業員を守るためにも、法律・条令による屋内全面禁煙が必要であると強調。また、2020年の東京五輪を好機ととらえ、まずは東京から屋内全面禁煙化を訴えていくと力強く決意を語った。


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