【福岡】吉村病院 吉村 茂昭 院長
■略歴 1973 修猷館高校卒業 1981 久留米大学医学部卒業、福岡大学第一外科入局 1991 吉村病院副院長 2014 同院長■役職等 福岡市救急病院協会理事 福岡県医師会認定総合医
福岡市地下鉄「西新」駅を降りてすぐ、修猷館高校の正門前にある吉村病院(福岡市早良区)。小さなけがや風邪などの病気から、虫垂炎、骨折、ヘルニア、胆石、腹膜炎など幅広く診療している。昨年就任した吉村茂昭院長を訪ねた。
確かな医療、温泉旅館のような温かさと笑顔で
―病院について、また医師になった経緯を聞かせてください。
当院は1946(昭和21)年の開業で、来年70周年を迎えます。診療科は、外科・整形外科・内科・消化器外科・消化器内科・肛門外科、麻酔科・リハビリテーション科。救急告知病院の指定を受け、24時間体制で患者さんを受け入れています。
父親が外科医で、僕はこの病院で生まれました。父親の働く姿を「夜中も寝ないで、よう働くなぁ」と見て育ちましたから、何となく自分も医師を目指すようになりました。他の仕事を知らなかったというのもあったでしょうね。
―今後目指す方向は。
兄の跡を継いで院長になったのは1年ほど前。この地域の人が安心してかかれる病院でありたい、と思っています。
そのためにはある一定以上の医療水準を保ち、一般的な病気をきちんと診察、治療していくこと。そして、高度医療が必要な人は大きな病院に速やかに紹介すること。それが、まずは求められることだと思っています。
外来は午前中は年配の方が多く、夕方は土地柄か多くの子どもたちの声が聞こえてきます。
そんな中、リハビリで通院していた人が、高齢で通えなくなることが出てきました。高齢化社会を迎え、同様のことは増えてきます。今後は、訪問リハビリ、訪問診療、訪問看護にも取り組んでいこうと思っています。
当院が目指すのは温泉旅館のようなおもてなし。ホテルのような豪華さはないけれど、笑顔や応対、サービスが良かった、心地よかったと言ってもらえるように、日々努力していかなければならないと思っています。
職員にとって日本一働きやすい職場にしたい。そして、当院で働くことを通じて幸せな人生をおくって欲しいと思っています。
5年前40人ぐらいだったスタッフの数は現在約80人。離職率も低いようで、ありがたいことに、スタッフの確保にはあまり困っていないのが現状です。これも皆さまのおかげだと感謝しています。
スタッフ同士の連携を密にとり、なんでも言い合える家族的な職場を目指しています。10対1看護を導入するころは本当に大変な時代でしたが、今はいい時期に来ていると感じています。
―病院運営や患者対応などで心がけていることはありますか。
自分のこれまでの経験がけっこう役に立っています。
大学時代に急性肝炎で入院した時、大部屋で他人と一緒に寝るというのは大変だと実感しました。ですから、ゆくゆくは全室個室を目指しています。
また、その入院の時に、看護婦長さんが毎朝「吉村さんどうね?」と様子を見に来てくれたのもうれしく感じました。院長になった今も、毎朝7時過ぎに入院患者さんを見てまわるのも、当時の気持ちを覚えているからでしょうね。
僕は小学生の時に蓄膿症の手術、学生時代には肝炎、研修医の時は骨折で入院し、また6年前には胃がんの内視鏡手術でも入院しました。
そんな経験から、患者さんの気持ちが少しはわかるような気がします。職員にも患者さんの気持ちになって細かい部分に心を配ってほしいと話しています。
―忙しい日々、リラックス方法や趣味は。
数年前より、健康管理のための朝の散歩を始めました。朝5時ごろに家を出て大濠公園や近くの海岸を1〜2時間ほど歩いています。
お酒も好きで、酒の誘いは原則断らない。休肝日をつくらなければと思い、今年からカレンダーに休肝日を記録し始めましたが、6月は2日しかありませんでした。