特色を打ち出して魅力ある病院を目指したい

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山陽小野田市民病院 山本 智久 院長

山本 智久(やまもと ともひさ) 1954 年生まれ 1981 山口大学医学部医学科卒業 同附属病院医員(研修医)(麻酔科) 山口大学医学部助手(麻酔学講座) 1982 琉球大学医学部附属病院助手(麻酔科) 1983 倉敷中央病院医師(麻酔科) 1985 済生会下関総合病院医師(麻酔科)1987 山口大学医学部附属病院助手(麻酔科蘇生科) 1993 同麻酔科講師 1997 小野田市立病院(現山陽小野田市民病院)医師(麻酔科) 2015 山陽小野田市民病院病院長

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ー4月に院長に就任しましたね。

 新しい建物が昨年8月に完成、10月から診療を開始して、今年4月1日にグランドオープンを迎えました。オープン式典には、山口県や山口大学医学部附属病院、市内の医療関係者をはじめ市議会、地元関係者等70名の方に参列いただきました。それと時を同じくして私が院長に就任しました。

 以前の建物は老朽化が著しかったので、医療従事者一同、ようやく落ち着いて診療できるようになったというのが正直な感想です。

 新病院効果で患者数は増加しているし、ここまでは、まずまず順調ではないでしょうか。

 近隣に労災病院、大学病院があり、215床と自治体病院の中では生き残りが困難だとされている規模の病院です。

 当院が大規模病院と同じことをしても生き残れません。今後、我々は周産期医療や透析センターに注力するべきではないかと考えています。

 医療従事者の確保は困難を極めていましたが、新病院になって応募者も増えました。

 当院は山口大学から医師の供給を受けています。新病院になったことは山口大学でも好意的に受け入れられていて、医師数が増える要因になっています。そうは言っても、まだまだ苦労しているので、特色を打ち出して魅力ある病院にしなければなりません。

 高齢化社会が進んでくれば、この地域でも高齢者の数は増加して医療需要は高まります。それを見据えた戦略を練らねばならないと考えています。

 新病院になって最も患者さんが増加したのは産婦人科です。出産を新しい病院でしたいと思うのは当然です。また産婦人科医長がとても優秀ですし、他の2人の医師は女性です。産婦人科の性質上、女医さんだと患者さんも安心です。期待通りの効果が表れています。産婦人科病棟は眺めがよく、分娩室も広く、特に自慢できるものですね。

 女性が働きやすい環境づくりにも配慮しています。院内に託児所を設け、産後も働きやすい環境を整えています。

 私は子供がいる職員さんの業務のカバーをすることは、当然だと思っています。仕事のために家庭を犠牲にしてほしくはありません。

ー病棟内で工夫したところは何ですか。

 比較的安価な個室を増やしました。新病院を建てるにあたってワーキンググループを作って情報を収集したところ、プライバシーが保たれた方がいいという意見を数多く耳にしました。まだ満床には至っていませんが、広く市民にPRすることで今後、利用率が増えてくると思います。

 新病院はCASBEE(建築環境総合性能評価システム)のSランクを取得しました。雨水の再利用、太陽光の利用など環境に配慮した現代型の病院に生まれ変わりました。ただ入院患者さんが直接恩恵を受けるわけではないのでピンとこないかもしれません。

 看護師の対応や医師の説明、苦痛が少ないなど人間的な部分がアピールにつながると考えています。

 私が常に職員に言うことは「患者さんの前で私語は慎みなさい」です。医療はサービス業です。レストランの従業員同士がベラベラとしゃべっていたら不愉快な気分になるでしょう。医療も同様です。患者さんの前では私的な面を出してはいけません。

 もう一つは公務員という立場にあぐらをかき、患者さんへのサービスをおろそかにしてほしくないと思っています。

ー4階に屋上庭園があるそうですね。

 狭い敷地でぎりぎりのスペースを使わなければならない。そうなると回復期の患者さんが散策するスペースが確保できません。いわば苦肉の策で造りました。まだ利用率は高くないので、患者さんが気楽に出てこられるような工夫をしなければいけません。

ー専門は麻酔科ですね。

 今は軸足をペインクリニックに移しています。近隣でペインクリニックをやっている病院は少なく、差別化をはかる意味で力を入れていく必要があります。ニッチな領域を診ることで患者さんを確保していきたいですね。

 麻酔科はあくまでも外科が充実してこそ存在価値が増す科です。私が麻酔科を選んだ理由は、入局する時期が集中治療室をつくるタイミングと重なったからです。

 集中治療室では麻酔科がイニシアチブをとり人工呼吸管理など患者さんのトータルケアをします。

これはやりがいがあると考え、入局に至ったわけです。

 麻酔科医は手術前に患者さんへの説明義務がありますが、それ以外で患者さんと密に接するわけではありません。

 一方、ペインクリニックは、患者さんへの徹底的なカウンセリングを行ないます。そこでも集中治療室で培った経験がいきていますね。

ー医師として胸に秘めている言葉はありますか。

 長州藩の大村益次郎はもともと医師で、緒方洪庵の適塾で医学を学びました。そのとき緒方洪庵が大村益次郎に「ほかの人間に対して同情心を持たないものは医療をしてはいけない」と言ったそうです。私はこの言葉に感銘を受け、胸に刻み日々の業務を行なっています。苦しんでいる人を見れば助けるのが医師の基本です。

 少林寺拳法の創始者宗道臣(そうどうしん)は、「半ばは自己の幸せを半ばは他人の幸せを」と言っています。

 医師もプライベートを大事にして、後の半分で仕事をしてほしい。それくらいの気持ちでやらないと仕事は長続きしないし、長続きしなければ患者さんを救うことができません。

 オンとオフの切り替えは重要です。医師の仕事は長期戦でストレスもたまります。長く続けることが何よりも重要です。


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