子どもたちがすこやかに育つ社会を創る - 山陰地方の中核病院として新病院長に医療理念を聞く

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島根県立中央病院 菊池 清 病院長

私立 甲陽学院高校 卒業 1977 年 京都大学医学部医学科 卒業 1983年 京都大学大学院医学研究科博士課程(内科系専攻)中途退学 1989 年京都大学医学博士(論医博第1257 号)

職 歴■1977 年 財団法人倉敷中央病院小児科採用 1983 年 京都大学医学部附属病院助手(小児科)採用 1986 年 島根医科大学医学部附属病院助手(小児科)採用 1989 年 ワシントン大学医学部(アメリカ合衆国、セントルイス)で研究に従事 1992 年 島根医科大学医学部附属病院助手(小児科)に復職 1994 年 島根医科大学医学部講師(小児科) 1995 年 島根県立中央病院小児科部長に採用 2009 年 島根県立中央病院副院長2015 年 島根県立中央病院病院長

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病院の概要について

 山陰地方最大級の病床数を持ち、島根県の医療の中心を担ってきました。唯一の県立総合病院であり、ドクターヘリを備えた24時間・救命救急センターも設置しています。

 総合周産期母子医療センターでもあり、基幹災害医療センターにも指定されているんです。県の政策医療を中心に、急性期型の医療を担っています。

 ドクターヘリとドクターカーを配備していますから、出雲圏域にとどまらず、全県をにらんだ診療活動に従事しています。

小児科医療の醍醐味

 私自身は小児科を専門にしています。専門を決めるときに、トータルとしての人間を診たいというのが1番にありましたし、日本の将来を担う子どもたちのお世話をしたいという思いがありました。

 小児科は日本の将来を創ってくれる子どもたちを診るわけですから、やり甲斐のある仕事です。私たちのアプローチの仕方で少しでも日本の将来が良い方向に向くといいな、という願いをこめることができます。子どもの前では自分自身が鍛えられます。

 病院にはさまざまな子どもたちが来ます。必然と「障がい」などのいろいろな体質を持った子どもたちが安心して住める社会を作りたいという気持ちになります。私の医師としての基本、人間としての立ち位置はそこにあると思っています。

医療倫理の重要性

 若い医師にはできるだけチャンスを与えたいと思います。じつは、適度なプレッシャーというのは人を育てる側面があるんですね。あまり大きなプレッシャーだとつぶれてしまうので、その加減を年長者が考えなければなりません。

 4月に病院長になった際に医師たちの前で話をしたのですが、新人教育も含め、女性医師の受け皿を用意することなど、できるだけいろいろな形の働く場所、多様な働き方を準備したいと決意表明しました。

 病院長になってからはさまざまなことを変えました。基本理念も作ったし、医療方針も変えました。倫理規定も明文化しました。これを機会に文章化して県民の皆様に読んでいただき、医療倫理を大切にしていきたいです。

 医療人権の活動をしているNPO法人COMLの理念に賛同して、副院長の時に「医療者の心得10か条」を作成して職員教育に使っています。患者さんの側に「賢い患者になりましょう」と言わせてしまうのは、医師として恥ずかしいと思うんです。医師はプロなのだから、患者さんの不安に対するケアも医療の一部だと自覚すべきでしょう。

医療崩壊に抗する

 これからは地域医療の姿が変わらざるをえないでしょうね。人口がどんどん減っていくし、医療を提供する体制も変わっていきます。そういう中で地域住民の声も聴きながらやっていかなければなりません。みんなで協力しないと、より良い社会は創れないんですよ。

 すべてを経済の論理で整理してしまう「聖域なき改革」というのは問題だと思います。教育・医療の充実は余裕のある地域社会を構築する上で欠かせない要素です。地域住民が安心して住むことができて、子どもたちがきちんとした教育を受けることができるというあるべき姿が先で、その実現のためにどうやってお金を工面しようかという順番で考えなければなりません。

 少子高齢化が進行し、人口が減少する中で、地方の医療の在り方というのはまさに原点に帰らないと立ち行かなくなるでしょう。

 地方の医療は不採算部分の拡大が懸念されますが、必要なものは確保しなければなりません。

 島根県においては、県東部(松江市、出雲市周辺など)は比較的大丈夫ですが、ちょっと離れた地域になれば、医療崩壊は現在進行形の問題になっています。県東部ですらその流れに巻き込まれようとしている中で、当院のような公的病院は最後の砦として県民の生活を守らなければなりません。

 当院は急性期病院に特化していますが、常に県立病院であることを意識して、医療崩壊が起こらないように気配り・目配りしていきたいと思います。


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