新築移転し、地域医療の拠点病院として鹿児島の医療ニーズに応える

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鹿児島市立病院 坪内 博仁 院長

坪内博仁(つぼうち・ひろひと)1972 鹿児島大学医学部卒 1973 同大医学部第二内科入局 1991 同講師 1992 宮崎医科大学内科学第二講座教授 2002 ~ 2007 京都大学大学院 医学研究科 先端・国際医学講座客員教授( 併任) 2004 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学教授 2008 鹿児島大学学長補佐、同大医学部・歯学部附属病院肝疾患相談センター長 2010 同大大学院医歯学総合研究科長 2012 同大定年退官、同大名誉教授 、 鹿児島市病院事業管理者 兼 鹿児島市立病院長

 今年5月、鹿児島市立病院が、市内加治屋町から約2km離れた上荒田町へ新築移転、開院した。県下の中核的医療機関としての役割を果たす市立病院。「鹿児島の医療の未来を拓く」ための構造改革について、院長に聞いた。

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多忙をきわめる日々、愛犬のゴールデンレトリバーと過ごす時間が、束の間の休息と語る坪内院長。

―移転を終えて。

 本年5月1日、無事に移転を終え、診療が始められてほっとしています。

 移転に際し、最も気を使ったのは、新生児をはじめとした患者移送です。

 市営バスの改装やパトカーによる先導など鹿児島市交通局や鹿児島県警などのご協力をいただき、また、診療面では鹿児島県・市医師会、あるいは大学病院などの医療機関にも大変お世話になりました。

―新病院の概要は。

 新病院は地上8階建てで、敷地面積は約4万4600㎡、延べ床面積は約5万2500㎡で、それぞれ、旧病院の約2.8倍、約1.3倍になっています。

 病床数は574床で、旧病院の許可病床687床に比べると少なくなっていますが、運用病床と比べると、やや多くなっています。また、新病院には約650台の駐車スペースがあり、旧病院に比べ約3倍の駐車が可能になりました。

 当院は「基幹災害拠点病院」でもあり、免震構造を採用して、地震災害にも強い病院になっています。

 外来だけでなく病棟も光を十分取り入れ、病院北側には鹿児島市の上荒田の杜公園が整備され、明るく光と緑あふれる病院になっています。

―医療設備・機器の充実について。

 新病院には給油施設も備えた屋上ヘリポートが設置され、ドクターヘリの基地病院としての機能が充実しました。また、手術室に運ぶ余裕のない患者のために、センター内に手術室も設けました。

 当院は、五つ子ちゃんの誕生以来、周産期母子医療には力を入れてきました。新病院では、NICU36床と後方病床44床のモニターなどの設備を最新のものにし、ドレーゲル社製の無菌度の高い部屋も用意しました。MFICU(母体・胎児集中治療室)を含めた産科部門が隣接し、総合周産期母子医療センターとしての体制が整いました。これに、1フロア上の小児科と小児外科病棟を機能的に統合して、成育医療センターとして一体化し、妊娠・出産・幼児・小児期の医療を一貫して支援します。

 手術室は9室から11室に、ICUは統合して16床に増床し、救急医療やがん診療に対応できるようにし、外来化学療法室も8床から15床に増やしました。

 さらに、最新の放射線治療装置や画像診断装置を導入し、地域がん診療連携拠点病院としての役割を果たしたいと考えています。

―内科・外科の再編と組織体制の見直しについて

 内科は、内科、呼吸器内科、神経内科、循環器内科、消化器内科とし、将来的にはさらに内科を再編することも視野に入れています。一方、外科は、消化器外科、呼吸器外科、乳腺外科、心臓血管外科、小児外科に再編するとともに、医師の大幅な増員を図りました。

 また、心臓血管外科には、開心術ができるように医師を招聘(しょうへい)し、低温手術室を整備しました。

 今回、医事課に属していた栄養管理室を栄養管理部として中央診療部門に移行し、放射線部、内視鏡部などとともに組織化しました。また、医療連携・入退院センターを設置して、多職種によるチーム医療を進めたいと考えています。

―新病院の方向性は。

 これまで、当院は「救急医療」、「周産期母子医療」、に加え「がん診療」という3つの大きな柱を中心に発展し、地域医療の中で役割を果たしてきたと考えています。したがって、今後もそれは大事にしていきたいです。

 一方で、2025年に向けた国の医療改革がすすんでおり、地域医療構想が策定されようとしています。

 市立病院は、鹿児島県下では大学病院に次ぐ規模の中核医療機関であり、地域医療構想の中でも高度急性期・急性期病院としての役割を果たすことに変わりありません。10年、20年先の市や県の人口動態や医療ニーズを踏まえて、それにどう対応していくか、市立病院としての将来構想も策定したいと思っています。

―人材育成への貢献について。

 市立病院が、今後果たすべき役割の一つに人材育成があります。

 当院には、県内では鹿児島大学病院に次ぐ研修医が在籍しており、本年度は定数を16名から19名に増員しましたが、幸い、フルマッチしました。すごくうれしいですね。鹿児島でも大学病院の入局者が減り、臨床や研究だけでなく、地域への医師派遣にも支障が出ています。当院の医師の約8割が大学病院からの派遣で、当院の研修医には鹿児島大学の医局に入ってほしいと思っています。大学に入局して研さんを積んで、将来、当院で勤務してほしいですね。

 現在、専門医制度が大きく変わって、総合診療医が加わりました。当院は、小児や周産期を含む救急医療、ICUや麻酔科、さらに心臓血管外科をはじめとする外科系、全領域をカバーする内科系などを有し、地域医療に必要な総合診療医を育成しやすい体制が整っています。

 それも目指して、臨床研修センターも設置しました。初期だけでなく後期研修カリキュラムも作成から始めて、現実的なものに形作っていきたいですね。さらに、医師だけでなく、看護師、薬剤師などいろいろな医療技術職についても人材の育成が大事で、まず、リーダーにそのような視点も持ってもらいたいですね。

―地域連携について。

 鹿児島の高度専門医療は鹿児島大学病院を中心に形作られているので、とくに、大学病院との連携は大事です。基本的には大学病院の診療機能を分担するか、補完するかということになり、大学病院の各診療科としっかり議論することが必要です。大学で消化器内科教授を務めていた経験を生かして、しっかりと連携したいと思っています。

 また、急性期病院として地域包括ケア病棟との連携も大事です。当院は紹介率が低いことも課題の一つで、開業医の先生方など地域の医療機関との連携にも力を入れる必要性を感じています。新病院で強化した医療連携・入退院センターが、十分力を発揮してほしいですね。

 新築移転し、最新の医療機器が導入され、医療スタッフも大幅に増員し、組織も見直しました。地域医療の拠点病院として、今後の鹿児島の医療ニーズに適切に応えていきたいと思っています。


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