信頼される医療・福祉を目指して【理念を中心に置いた医療と法人運営】

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山口、広島を中心に医療法人と社会福祉法人を展開する和同会グループ理事長にきく
医療法人 和同会・医療法人 清和会 髙橋 幹治 理事長

略歴■私立修道学園 修道高校卒(広島市) 1989 山口大学医学部医学科卒業 1993 山口大学大学院修了1993 山口大学医学部附属病院精神科 1994 山口県立中央病院神経科 1995 山口県立病院 静和荘 1996 医療法人和同会 片倉病院院長(2003 ~ 同法人理事長代行) 2005 医療法人 清和会 理事長 2008 医療法人 和同会 理事長 2010 社会福祉法人 博愛会 理事長
学会その他の活動■日本医療法人協会:理事、医療・介護保険部会員/日本医療法人協会山口県支部:副支部長/日本精神科病院協会:予備代議員/山口県病院協会:理事/山口県高齢者保健福祉推進会議:委員/山口県神経精神科医会:副会長

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― 医療法人と社会福祉法人を束ねていくうえで、理念を大事にされていますね。

 古い言い方ですが、当法人の憲法第1条は、「常に患者様の立場に立って考え、そして行動する」です。「信頼される医療と福祉をめざす」という理念の核になっています。

 開設以来、職員の行動指針として、患者さまや患者さまのご家族の方がどういう気持ちでいらっしゃるのかを大事にしてきました。

 たとえば、病気を治すだけでなく、患者さまの置かれている社会的環境も視野に入れながら、どのような治療や療養を希望されているのかを考慮するということです。退院後の安心できる生活が大切なのです。

 さらに、病院を運営していくうえでは「地域」という概念もキーワードになります。地域のみなさまに信頼され、「なくなっては困る」と選ばれるような医療、福祉の活動をしていきたいと常々考えています。

― 複数の法人を運営することで、メリットのようなものを感じることはありますか。

 現在、2医療法人で山口県央部に6病院、広島市に3病院を運営しています。

 当然ですが、医療環境の違いや社会資源の有無など、それぞれの地域で患者さまが抱えている苦労やニーズは異なります。そのニーズの違いを、複数の法人・施設を運営することで、「こちらは通所・訪問系が足りない。こちらは回リハ病床がすぐに必要」など比較し、どう特色を強めるべきかがわかってきます。月に2回ほどグループ会議を開催しますので、そこで各現場の課題を持ち寄り共有するようにしています。

― 法人運営で苦労されていることは。

 まずは人材の育成ですね。おかげさまで経営力についてはある程度強固なものを確立できたと思います。しかし、経営を支えているひとりの事務長が病気などで抜けた際に、なかなか次の方が出てこない。

 すべての職種・部署で言えることですが、誠実で熟練した人材はまさに法人の宝なのです。

― ニーズに応えることを重視されています。

 当然ではありますが、ニーズを意識しないと良質の医療・福祉は提供できません。ひとりの医師としても、法人の代表としてもニーズに応えることを最重視しています。

 ニーズ把握をもっと進め、ゆくゆくは「ニーズを作る」事業もやってみたいですね。

 これはよく議論になることですが、町の形を、安全・安心のまちづくり、福祉の町づくりの視点から少し変えてみてはどうかと考えています。

 たとえば、24時間営業しているコンビニは立派な社会資源ですので、防災・相談業務を行ない、アメリカのスーパーのように、大型店には調剤薬局・特定看護師をおく等すれば、今後の高齢者救急のバックアップの一助になるでしょう。医療施設ごとにコンビニを併設するほうが、今の調剤薬局散在よりよほど効率的だと思います。また、配食・振込・宅配などと同じように、なんらかの形でコンビニのネットワークが医療・福祉と連携できないかと考えています。とにかく、24時間・365日オープンしていることが大切なのです。

― 今後の展望を。

 これまでも、社会資源やニーズの把握を行なって病院を再編しましたが、今後は独自の調査にくわえて医師会の地域連携会議や地域医療構想の調整会議も意識していきたいと思います。そして、私たちの各病院でも、「ここは他の病院に負けない」といった強みを作りたいですね。

 人材育成については海外から看護師候補生、介護福祉士候補生を受け入れました。現在までに、2人のフィリピンの方が看護師資格を、4人のインドネシアの方が介護福祉士資格を取得されました。

 看護学校との連携も進めていて、看護学科の設立を援助させていただいたこともあります。

 私は、医療業界の規制をある程度緩和することに賛成ですし、医師以外の方が医療法人の理事長になることも認めてよいと思います。

 しかし、たとえば株式会社が病院運営に参加してきた場合、医療は社会のインフラですから、「儲からないのでやめます」というのでは困る。そこを考慮したうえで制度設計し、規制を考えるべきだと思います。

 組織が大きくなるのは悪いことではありませんが、その中心に理念がないと、組織が存在する意味自体が問われることになるでしょう。


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