地域医療への挑戦 宮崎県の地域医療が抱える課題と地方独立行政法人移行について聞く

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医療法人財団西都児湯医療センター 長田 直人 理事長兼 院長

ながた なおと 1949 年生まれ略歴■三重県立 四日市高等学校卒 1972 名古屋大学農学部食品化学科 卒業 1980 宮崎医科大学医学部医学科 卒業 1980 宮崎医科大学医学部附属病院 医員(麻酔科) 1990 宮崎医科大学医学部附属病院講師(麻酔科) 1992 宮崎医科大学医学部附属病院 講師(集中治療部) 1998 宮崎県立日南病院 医長(麻酔科)2003 宮崎県立日南病院 部長(麻酔科) 2010宮崎大学医学部地域医療学講座 教授 2015 医療法人財団西都児湯医療センター 理事長 兼 院長所属学会■日本麻酔科学会 日本集中治療医学会 日本救急医学会

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長田院長自作のweb サイト「アニメで学ぶ 子供のための医学

― 宮崎医科大学に入学されて以来、宮崎に拠点を置かれていますね。

 宮崎の自然が気に入ったんです。私は三重県の四日市出身なんですが、ご存じのとおり、当時は公害の町でした。

 その公害の町から宮崎に来て、同じ日本だとは思えなかったですね。草の匂いが濃くて、太陽がギラギラしてる。昔よりは太陽が弱くなってるいるような気がしますね。

 4月1日に当センターの院長に就任しました。もともとは集中治療や救急医療を専門にやってきました。当センターには夜間急病センターがありますが、もっと地域住民の方の役に立つように充実させたいですね。

― 地域医療、救急をやってこられた方が赴任されたというのは大きいと思います。

 地域医療やへき地医療とは、じつは救急医療であることが多い。

 地域医療を理解するためには、最低5年以上は地域で働く必要がある。宮大救命救急センターの落合医師はその経験を積んでいるので、現在の活躍があるのでしょう。

 ただ、一次救急、二次救急と完全に分ける体制を取るのはとても難しい。なぜなら、一次救急をこのセンターだけで完全にやりきることすらなかなかできないんです。

― やはり医師不足という論点が浮上しますね。

 もともとは宮崎大学の地域医療学講座で総合診療医の育成を目指していました。2017年(※)に向けて総合診療医を増やそうとする流れです。そこで育った医師が地域で活躍することに期待しています。

 改めて考えてみると、地域の医師を育てるということは、ある意味、総合診療医を育てるということに尽きるかもしれませんね。

※ 厚労省「専門医の在り方に関する検討会」は、2017年度から総合診療医の専門教育を開始することを発表した。

― 地方独立行政法人移行の動きがあります。やはり、経営の安定化を図る目的が。

 おそらくそういった意味あいは大きいでしょう。要するに、救急体制を維持すると、明らかに赤字経営になるんです。民間の病院でどこまでできるのかわからない。地域に必要であることは疑いないので、その運営をどう補助していくのか。地域の開業医の先生方との連携がとても重要だと考えます。

 西都市としては公的な援助をすることで救急をなんとかしたいという思いがあるのでしょう。

 具体例をあげると、当センターには脳外科医が1人いますが、彼は非常に大事な存在なんです。なぜなら、この10万人が住む医療圏で、脳疾患に特化して対応できる医師は彼以外にいないからです。そこに夜間急病センターができる意味あいはとても大きいと思っています。

 独法化というのはかなり大きな転換です。公的な病院、自治的病院などは地方公益企業法下にあるので病院長の権限が弱い。ある理念のもとに、病院長や理事長を中心に病院を経営することは、私は管理者として大事だと思うんです。

 それができるのが独法化で、病院建設や赤字対策を担保する公的な後ろ盾があるという点で、運営形態として独法化というのは悪くない。

― 税金を投入することについてはさまざまな意見があるでしょう。

 まず第一に地域住民のニーズがあるべきですね。そのうえで多様な意見を集約してご理解いただきたい。対応できない恐れがあります。

 現在の病院は、開設して32年が経過した古い建物で、耐震構造もありません。近い将来発生するであろう南海トラフ地震などの災害が発生した場合、災害拠点病院として対応できない恐れがあります。

 そのため、災害拠点病院と二次救急医療施設に指定されていることもあり、かつ若い医師や常勤医師が柔軟に対応できる新病院の建設を計画しています。決して「独法化するから新しい病院を建てる」という理屈ではないのです。

 この地域の地域医療、救急医療を充実させるためには、独法化は避けて通れない道でしょう。地域に必要なインフラであることをご理解いただいて、きちんと説明責任を果たしていきたいと思います。


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