新時代到来前夜

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大分大学医学部附属病院(整形外科学教室教授) 津村 弘 院長

1981 九州大学医学部医学科卒業 同附属病院医員  1982 九州労災病院医師 1983 福岡市立こども病院医師 1986 Mayo Clinic Biomechanical Research 留学(Research fellow)1987 東京女子医科大学附属リウマチ痛風センター助手 1992 九州大学医学部附属病院助手 1994 下関市立中央病院整形外科医長 1998 大分医科大学整形外科学助教授 2003大分大学整形外科学助教授 2005 同教授 2009 同附属病院副病院長 2014 同院長 ■日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会指導医、日本リハビリテーション医学会専門医、ICD協議会インフェクションコントロールドクター 他

 大分大学医学部附属病院では現在、再整備計画が進行中。津村院長は昨年12月1日の就任から現在まで目が回るような忙しさだったそうだ。院長となってから約半年、今後の抱負や現在も教授を務める整形外科について話を聞いた。

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■次世代型の病院へ

 前任の野口隆之院長が昨年8月、当院の再整備計画の道半ばで急逝されました。将来の医療需要の変化に対応した整備を実行しているさなかだったので、無念だっただろうと思います。前院長の遺志を受け継いで、プロジェクトを完遂するのが私に与えられた使命です。

 2017年には、ほぼすべての計画が完了して次世代型の病院へと生まれ変わります。当院の役割は、地域の中核病院として安心、安全な最先端医療を提供すること、県唯一の医育機関として地域に貢献する人材を育成すること、新しい治療法を開発・研究することなど多岐に渡ります。

 そのためにハード面では2年前に高度救急救命センターを立ち上げました。また既に導入しているダ・ヴィンチやハイブリッド手術室のほかにも新しい機器を積極的に導入する予定です。

 一昨年に病棟を新築、現在も東病棟を改装中で、秋には完成予定です。これまで以上に高度な医療の提供が可能になります。

■認知症への対応

 県の支援を受けて神経内科の松原教授が中心となり、認知症のPETでの診断法を研究中です。3月に新たなPETを導入し、今後2台体制で運用します。

 認知症は、ご家族、かかりつけ医、訪問看護ステーションなどの協力なしでは治療できません。従来の病院完結型医療から地域完結型医療への移行が必須の取り組みです。

 近年、認知症の人が自宅で転倒して骨折する例が急増しています。入院して環境が変わると認知症の周辺症状が悪化する場合があり、なるべく早く自宅に帰してあげなければなりません。地域の病院や施設との密な連携が必須なので、今後は地域包括ケア支援センターとの人事交流にこれまで以上に力を入れていきたいと思っています。

■二足のわらじ

 学生のころから現在まで、整形外科の勉強と手術手技の習熟に心血を注いできました。それがまったくできなくなるのはつらいので、体が動く限りは、院長と教授の二足のわらじをはき続けていくつもりです。

■整形外科の魅力

 整形外科は機能再建外科です。歩けなかった人が歩けるようになる、手が麻痺していた人が、動かせるようになるなど劇的なQOLの改善が見込めます。患者さんが退院後、入院前より元気な姿をみせてくれることは医者冥利につきますね。

 簡単な手術から徐々に難しい手術にステップアップができるので、若い人が経験を積みやすいのも魅力です。小さな手術から段階を踏んで移行でき、無理のない上達が可能です。

 整形外科医に求められる資質は高齢者が多いので、よく話を聞いてあげられること。特徴は領域がとても広く、膝関節、肩関節、脊椎など細かく分かれているところです。脊椎外科、関節外科などとは言いません。掲げている看板はただ一つ、「整形外科」です。さまざまな症状の患者さんが来るので、幅広い知識が必要です。

 私は整形外科医に手先の器用さは、さほど必要ではないと考えます。それよりも若い医師に身につけてもらいたいのは知識です。研修医はよく技術を習得したいと言いますが、もっとも大事なのは知識の習得です。「神の手」などと言われるようになるまでには、たしかに症例の蓄積が必要かもしれません。でも解剖学の知識さえあれば、ある程度のレベルまで実技能力は向上するものです。知識が薄く、実技のみがずばぬけていても医師としては半人前ではないでしょうか。

 手技面では目に見えない場所を感知する能力が要求され、他科よりも職人的な感覚が問われます。工夫次第で劇的に手術結果がよくなるところにやりがいを感じますね。

■医師確保

 現在、大分県は整形外科医の数が足りません。県内には整形外科医が常駐していない病院がたくさんあります。本来はそこに人材を補充していかなければならないのですが、十分にできていないのが現状です。

 我々の最重要課題は初期臨床研修医をどれだけ確保できるかどうかです。近年、少しずつ増えてきてはいますが、まだまだ不足しています。いかにして確保するか、医学部とともに取り組んでいかなければなりません。

 学生に対しては、きめ細かい教育をほどこすこと。以前は教官が忙しいときは指導がおろそかになりがちでした。意識改革を行ない、教育に手間暇をかけることが重要です。

 初期研修医の住宅手当、当直手当拡充に取り組んでおり、他の国立大学病院にひけをとらない待遇を用意しています。

 医師本来の業務とはいえない雑事をドクタークラークの導入で軽減しており、一定の成果をあげています。

 診断書もコンピューターで書けるようになりました。患者さんによっては、一つの入院で数社の保険会社の診断書作成を依頼されます。以前はすべて医師が手書きをしていたので、多くの時間を割かれていましたが、IT化やドクタークラーク導入で、随分と楽になりました。

 すでに電子カルテも導入済みで、事務作業に費やす時間を大幅に軽減することに成功しました。

 ■職員に望むこと

 大分大学は地方大学ですが、全国どこにもひけをとらない医療を提供していると自負しています。そこに誇りを持って働いてもらいたい。我々も職員の皆さんが安心して働ける職場をつくっていくつもりです。


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