新病院のキーワードは「誠実な医療」

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西日本旅客鉄道株式会社 広島支社 広島鉄道病院 小野 栄治 院長

1967 年 修道高校卒 1974 年 広島大学医学部卒、同大学第二外科入局。河石病院、県立広島病院、松山赤十字病院、国立大竹病院に勤務。1985 年 米国・ハノーバー医科大学腹部移植外科留学 2005 年 広島鉄道病院副院長 2011 年より同院長

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小野院長は大のカープファンで、自身も学生時代から白球を追いかけてきた。「準硬式野球の2部リーグ戦で首位打者をいただいたことと、一部リーグ戦でチームメンバー数人とともにベストナインに選ばれたことがちょっとした自慢ですね。」と照れ笑い。

― 新病院が新築移転されます。

 現病院の東隣に建て替え工事をしています。西隣は広島県が整備する「広島がん高精度放射線治療センター」と「地域医療総合支援センター(仮称)」が建設されています。

 新病院は今年10月末に完成予定で、年末頃に移転します。

 広島がん高精度放射線治療センターは、最新の放射線治療装置が導入されると聞いています。同等の治療施設が整備されていない岩国、徳山、福山、三原といったおよそ100km圏内からの通院も予想されます。

 通院治療を原則とする無床施設であるため、入院が必要だと思われる患者さんは当院でも受け入れるなど、協力体制を築きます。

― カルテの管理方法は。

 現在、オーダリングを運用しています。新病院開業に備えて、この春からは電子カルテにまで機能を拡張して、移転前に導入を完了します。

 患者さんによっては最終日まで旧病院に通院して、翌日から新病院ということもあるため、カルテは計画的に管理・移行する必要があります。

― 野球部だったと聞いています。

 中学時代に野球部に所属し、大学に入ってから再開して今も病院のチームに所属しています。

 ここ最近は参加しても出る幕がないため、応援に徹していますが、見ているとやはり打席に立ちたくなりますね。

 メンバーは医師、放射線技師、理学療法士、男性看護師などで構成されています。医師会主催の秋の野球大会、JR広島主催のソフトボール大会などに向けて活動しています。

 野球を通じてできた人とのつながりは、医師になってからもあらゆる場面で助けになっています。

― 医師を目指したきっかけは。

 放射線科医である兄の影響があると思います。兄はもともと工学部でしたが、卒業後に医学部へと進みました。

 私自身、子供時代には、無医村の医師などに漠然とした憧れを持っていました。はっきりと医学の道を志したのは高校生の時です。

 実はその頃、広大な大地との共存や、受け継がれているクラーク博士の思想に引かれて、北海道大学に憧れを持っていました。

 しかし結果的に、地元の広島大学に進学し、生まれ育った地で医療に貢献することに喜びを感じています。

― 思い描いていた医療の世界は実現しましたか。

 医師になって約40年経ち、大部分は実現してきています。現在では、法的にも技術的にも確立されてきた臓器移植ですが、私が医学部に入学した当時は、札幌医大で日本初の心臓移植が行なわれて物議をかもした時代でした。また、当時は免疫抑制の研究が進んでおらず、拒絶反応を抑える薬も今ほど万全ではありませんでした。

 そのような時代背景の中、日本で遅れていた臓器移植の進歩に貢献したくて第二外科に進みました。学位論文は「腎移植における、特異的細胞性免疫に関する研究」で、移植腎の生着機序に関しての研究を行ないました。

 私の好きな言葉に「寛容」があります。臓器移植では、免疫が非自己を攻撃しないようコントロールして「免疫寛容」の状態を作り出し、移植した臓器の生着率を上げます。

 このことは医療現場における、人と人の関係に似ています。慌ただしさから、看護師や患者さんと意見がぶつかる事もあります。そんな時、自分の考えだけはでなく、相手の意見も受け入れて互いに理解し合うことが、結果的に良い治療を提供できることにつながると考えています。

― どんな新病院にしていきたいですか。

 「誠実な医療」を提供することで、社会貢献できる病院にしていきたいです。

 時代の流れとともに、医師と患者さんの関係に溝ができることが増えてきています。しかし、そのような時代にあっても「誠を尽くすことを以て宗」として患者さんに接すること、インフォームドコンセントを得て患者さんとの相互理解の中で治療に当たることが大切です。

 新病院の理念には「誠実」という言葉を盛り込んで実践していきたいと考えています。


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