「人」 / 脱毛しても変わらぬ自分で

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経験生かしアドバイス送る 北原和司子さん

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「脱毛がよかったとは思わないけれど、してしまったものは仕方ない。その経験を役立てられることがうれしいんです」と笑顔を見せる北原さん。=福岡市内で撮影

「今しかできないこと、今やりたいこと、私は、『今』がすごく大切だと思っています。笑って過ごせるように、お手伝いします!」

人毛ウイッグなどを販売する会社「そらぞら」を経営する北原和司子さん(33=福岡市出身)は、脱毛に悩む人たちに向けて、運営するブログでそう語りかける。

自身も27歳の時から今まで、収まってはまた始まる「全頭脱毛」と向き合ってきた。脱毛による休職、職場復帰、退職、そして起業...。さまざまな経験を生かし、「患者さんの生活を明るくするお手伝いができたら」と願っている。

北原さんが脱毛に気付いたのは、営業職としてがむしゃらに働いていた6年前。仕事中、ふっと髪をかきあげた瞬間、「冷たい」と感じた。確かめると、そこには円形脱毛。それでも初めは、「よくあること」と気に留めなかった。

しかし、それだけでは収まらなかった。"10円ハゲ"は、頭のあちこちにでき、1つ1つがくっつき、広がっていった。浴室の排水溝はすぐに抜けた髪でいっぱいになる。営業先では、お辞儀で頭を下げるのも嫌になった。病院に行っても、抜け続けた。

怖くて外出を避けるようになり、会社を休職して自宅にこもった。当時は各家庭にパソコンが普及する前。当然、スマートフォンもない。携帯電話の小さな画面を見つめ、必死でウイッグを探した。そして1つ10万円ほどの商品を購入。それでも安い方だった。

その後、ウイッグをかぶって職場復帰、さらに「1度目よりショックだったかもしれない」(北原さん)2度目の脱毛。そして、決めた。「もし次の脱毛がきたら、環境を変えよう。仕事を辞めよう」。2012年8月、3度目の脱毛をきっかけに、退職した。

起業のきっかけは、脱毛に悩む人の相談に乗りつつ医療用の低価格ウイッグを販売する会社の女性社長に背中を押されたこと。「脱毛経験が誰かの役に立つのでは」「ウイッグや手入れ方法などの情報がもっとあれば、あんなに暗い気分にならなくて済んだのではないか」という思いもあり、2013年5月、「そらぞら」を起業した。

「そらぞら」の意味は、「それぞれの空」。自身が辛い時、何かを考えたり始めたりする時、必ず見上げてきた空。「辛さも後悔も大したことではない」と思わせてくれた空。天気や季節によって違う表情を見せる空。そんな空に、思いを乗せた。

今は、起業のきっかけをくれた女性社長の会社と提携し、がんの治療などで髪が抜けた人向けのウイッグ、帽子やつけ毛、乳房型パッドなどを販売する。「相談ベース」が信条で、自身の経験を生かしながら「旅行に行くとき飛行機はどうしている?」「スポーツの時は」「簡単な手入れ方法は」などの相談にも乗っている。

起業から2年を前に、「びっくりするぐらいやりがいを感じている」という北原さん。「悩み苦しんでいる人の要望に耳を澄まして、足りない部分に取り組んでいきたい。時代の波に、乗り遅れないようにしていきたいと思います」と前を見つめた。

「そらぞら」ホームページ


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