地域のコミュニティとして赤十字病院を再構築する|病院移転への展望を語る

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高知赤十字病院 中村 章一郎 院長

1967 年 高知学芸高等学校卒業 1974 年 徳島大学医学部医学科卒業、徳島大学医学部専攻生(泌尿器科学)1975 年 徳島大学医学部附属病院医員、徳島大学医学部附属病院泌尿器科助手 1976 年 高知赤十字病院泌尿器科医師、徳島大学医学部附属病院泌尿器科助手などを経て、1998 年 高知赤十字病院副院長2010 年 高知赤十字病院院長

移転計画について

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 当院は1928年に開院して以来、現在の場所で地域とともに歩んできました。近隣にはJR高知駅もあり、非常に交通の便も良いですね。

 しかし、南館は20年、本館に至っては28年が経過し、その間に職員も約2倍に増えました。諸室も手狭で老朽化していることなどが問題となって移転が必要になりました。当初は近隣の土地を探していましたが、東日本大震災を契機に移転地について見直すことになりました。

 高知県全体の海抜が低いため、南海トラフ地震が起きた場合は、この場所にも2〜3メートルの津波が届くことがわかりました。しかも1メートル程度の地盤沈下も予想されています。当院は災害拠点病院に指定されているので、被災時にどうやって医療を提供できるかを考えなければならない。そうなると、動力源が地下にあることも加味し、この付近では医療機能を維持できないと判断し、現地域での新築をあきらめたんです。

移転場所の条件

 移転先としては、地域に密着してきた病院ですので、できるだけ今の場所から近く、現在の課題に対応できる一定の広い土地で、長期浸水しない場所が必要でした。

 そういう条件で探している中で、かつてシキボウ高知工場があった場所を候補地として、病院から県にお願いし承諾していただきました。移転予定地は、現在の約3倍の3万平米弱あります。その場所には、高知市北消防署も建築されます。

災害拠点病院として

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院内に設置された災害救援自販機(災害救援ベンダー)非常用電源を内蔵し、被災時に飲料の提供が可能。

 高知県は海岸線が長いので、とくに津波対策を想定する必要があります。実際、約30メートルの津波が想定されている場所もあり、県も避難タワーや避難路を用意しています。高齢者が増えているので、誰かが避難の手助けをカバーしないといけないでしょうね。

 東日本大震災の復興需要やオリンピックを控えて建設費は高騰していますが、費用の増加にはある程度目をつぶって、早く建設をすることを第一にしています。2019年の4月から診療を始める予定です。

高知赤十字病院の理念

 当院はこの町ができる前に建ちました。当時は田んぼが広がっている中に最初に病院ができて、そこを中心にして町が形成されてきたんです。JR高知駅にも北口ができてにぎやかになりました。病院の前の道も「日赤通り」という名前が自然発生的について、住民の方たちにも長年親しんでもらいました。

 地域の町内会・婦人会に専門・認定看護師を派遣し、講演会や研修を行って地域に住む住民の方と共同で街づくりしています。当院を受診する患者さんはもちろんですが、住民の方々にも知ってもらって、元気に生活してもらうことが大事だと考えています。

街づくりと共に

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1928年(昭和3年)に創立された現在の高知赤十字病院。救命救急センターを併設、468床(一般病棟 426床、結核病棟12床、救急病棟30床)

 今後の病院のあり方として、患者さんを診て、退院させてそれで終わりではなく、人口減少社会においてのコミュニティ(居場所)として病院を機能させたいと考えています。たとえば病気じゃなくても気軽に来れる場所、みんなが気楽に寄り合って医療情報を共有する場としての機能です。

 また、愛され、親しまれ、信頼されるという理念でいえば、患者さんだけではなくほかの医療機関や行政、とくに消防機関との関係を重視しています。ですから当院は救急車は絶対に断らないということで統一されており、年間約4700台の救急車を受け入れ、消防機関から最後の砦として安心されています。

 88年間そういった信頼関係を築いてきたので、今後も100年、150年と続けていきたいと思います。

【取材記】
エレガントな天傘のかかったJR高知駅を降りると、「高知家の食卓総選挙」ポスターが出迎えてくれました。甘味記者は土佐おもてなし勤王党のスィーツ半兵衛に一票!

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