「歩いて在宅」をモットーに

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一般社団法人 巨樹の会 下関リハビリテーション病院  興津 貴則 院長

興津貴則(おきつ・たかのり)/ 1981 年熊本大学医学部卒。84 年熊本大学医学部整形外科、86 年下関厚生病院、89 年松橋療護園、90 年熊本機能病院、熊本大学病院、91 年竹田医師会病院、92 年熊本大学病院、下関厚生病院、2004 年健康保険南海病院、2006 年から現職。日本整形外科学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医。

 高齢化が進み、山口県下関市では高齢者の割合が3割を超えている。回復期リハ病院として地域を支える「下関リハビリテーション病院」の興津貴則院長に話を聞いた。

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道路から見えるリハ室前に立つ興津院長

―病院の成り立ちを聞かせてください。

 1974(昭和49)年4月、外科医だった蒲池真澄・現カマチグループ会長が、救急車を断らない開業医「カマチ医院」として19床でオープンしました。翌年には36床のカマチ病院(救急病院指定)となり、その後、医療法人財団池友会下関カマチ病院、下関第一病院と名称は変わっていきましたが、その間もずっと救急病院でした。

 回復期リハビリテーションに特化したのは2001年です。開始時は45床でしたが、2004年には165床に増床されました。

―先生と病院とのつながりは。

 増床時、当時のこちらの院長先生が私が勤めていた下関厚生病院の整形外科に「患者さんを紹介してほしい」と依頼に来られました。下関厚生病院の整形外科は、持てるベッド数が26床しかないにも関わらず入院患者が50人を超える状態でしたので、手術が終わったら早く受け入れてもらおうと連携を始めたんです。

 下関リハビリテーション病院があったからこそ下関厚生病院は術後在院日数が短くでき、急性期の患者さんの受け入れがスムーズにできるようになりました。当時は急性期の整形外科医の立場から回復期リハ病院に感謝していました。

 その後、私は下関厚生病院を辞め、大分の南海病院に移りましたが、下関リハビリテーション病院の当時の院長から「後を任せたい」と依頼されたのを機に、2006年に院長に就任。その時、心臓リハビリの必要性を感じており、取り組みを始めました。

―現病院の特徴を。

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JR下関駅から徒歩5分、国道191号沿いにある下関リハビリテーション病院

 165床すべてが回復期リハビリ。運動器、脳血管、心臓のリハビリを標榜しています。回復期リハ病床数は県内1位。リハビリのスタッフ数も一番多くなっています。市内の救急病院(下関医療センター、山口県済生会下関総合病院、下関市立市民病院、関門医療センター)と北九州市の新小文字病院からの患者さんが主ですが、その他の病院からも受け入れています。

 笑顔とあいさつがモットーです。心にゆとりがないと人の面倒を見ることはできません。ですから残業はほぼありませんし、4週8休もしっかり取れるようにしています。産休育休、時短勤務もあり、女性も働きやすい職場だと思います。

 リハスタッフが成長することには積極的に取り組んでいます。グループ内の急性期病院とのローテーション人事をこちらから提案して始めました。院内にはスポーツの同好会もあり、看護やリハなどいろいろな職種が集まって交流しています。スポーツを通して仲良くなっていると患者さんに対するカンファレンスでも自由に意見を出せるんです。

 学会への参加、発表も積極的にしています。山口県の回復期リハビリ病棟研究会、大腿骨頚部骨折脳卒中パス研究会にも参加しています。

 患者さんの平均在院日数は60日。訪問リハ、外来リハでしっかりフォローしていることが大きいと思います。外来患者の送迎も1年ほど前から始めました。リハビリを受けたいけれど交通手段がないという方に喜ばれています。

 当グループは各事務長が積極的で、新しいこともどんどんできます。グループ内の事務長同士の交流があり事務力がしっかりしているというのも強みだと思います。

 巨樹の会として関東に多くの回復期リハビリテーション病院を開設しています。今年4月には原宿、10月には五反田がオープンし、全国の回復期リハビリ病院のトップ3は当グループが占めることになります。新しい病院ができるたびに、リハスタッフを派遣し、当院で確立したノウハウを2〜3年指導して帰ってきています。当院は池友会、カマチグループ発祥の地で、巨樹の会の拠点でした。

―診療への思いを聞かせてください。

 リハビリの歴史に整形外科は欠かせません。ですから脳卒中リハでも心臓リハでも、始める前に運動器疾患がないか、肩や膝の動き、加齢的変化があるかないかを見極めるのが自分の役割だと思い、体制強化加算で病棟専従になるまでは、新入院の患者さんは全員自分で診ていました。

 リハビリで血圧が上がれば破裂するような腹部大動脈瘤が見つかった患者さんもいました。暗い顔をして来る患者さんでも、笑顔が出ればそこからの回復はぐっと早くなります。最初の会話やスキンシップがとても大事です。

 私は以前から認知症やモチベーションの低下など、リハビリを阻害する要素に対して漢方薬を使っています。痛み止め、しびれ止め、胃薬、ありとあらゆる薬が他の科で処方されている患者さんに「何とかしてくれ」と言われたのがきっかけでした。認知症によく使うのは抑肝散。サイエンス漢方のような使い方をしています。

―スタッフ教育は。

 患者さんから笑顔を引き出せと言っています。そのためには、まず自分が健康でなければいけない。健全な生活をし、患者さんの心の底から笑顔を引き出すようにと繰り返し言っています。

 それから、患者さんの尊厳を大事に、ということも言います。患者さんの平均年齢は70代後半。昔はスーツを着て働いていた、芸術的才能があっていろいろなものを作っていた、そういう方たちです。そう考えたら、自然と相手を敬えるのではないでしょうか。

 中学の校長先生が朝礼でよく言っていた「これを叩くものの厚浅に応じて響きを放つ」という言葉が好きで、今も心に残っています。人と接するときには、まず自分から相手の心に響くような行動を起こさないと向こうからは返ってこない。コミュニケーションではそれを心がけています。

―今後の目標は。

 サテライトの訪問リハビリ部門を設けることでしょうか。フィットネスとして、病院を高齢者に開放しようかとも考えています。今、病院の職員数は約300人、そのうちリハスタッフは140人です。内部環境をますます充実させていきたいと考えています。


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