地域包括ケアという言葉をよく聞く。しかしそこから先が不透明だった。いろんな人が口にするから誰かが知っているに違いない
ところが医療者の側も「国は地域包括ケアを進めると言っている。この方向は正しいと思うが、その中身がわからない。厚労省の局長の文章を読んでも、何をやればいいのかよくわからない。老人医療や福祉の専門家に尋ねても、わかる人はいなかった」と言う。2月15日、福岡国際会議場で開かれた第67回済生会学会で、炭谷茂・済生会理事長の基調講演でのことである(座長=岡留健一郎済生会福岡総合病院院長)
「中身がわからないから英語に訳せない。だから、具体的にどうやるのかを示すのが、医療と福祉を両方持っている済生会の仕事ではないか。
それを示す責務が我々にあると思う」。炭谷理事長はメーンホールの千余人にそう語りかけた
さらに、「これから済生会がやることが2つある。1つは町の経済発展に貢献すること、もう1つは経済発展の方向として、障害者や高齢者、難病患者やニートたちの働く場所を作りたい」
岡留健一郎学会長の開会あいさつも含めて次号でもう少し触れたい。