福岡県看護学会がこのほど、福岡市東区のナースプラザ福岡、県教育会館の2会場で開かれた。テーマは「『明日につなぐ看護実践』―生活を支える看護の力―」。発表演題数は口演25題、示説19題の計44題に上った。
会の冒頭、学会長の花岡夏子・福岡県看護協会長は「少子高齢多死社会で保険医療福祉分野でも大きなパラダイムシフトが起こっている」とし、「この学会が医療環境変化の先取りとなるように願っている」とあいさつ。
その後、坂本すが・公益社団法人日本看護協会長が特別講演をした。
坂本会長は「超少子・高齢・多死社会が到来する中で、看護職としてどう関わっていくかが大事」とした上で、病院の中で看る、すなわち医師のそばで働く時代から、地域の中で、医師のいない場で働くことが増えると指摘。予測力、洞察力、判断力、采配する力をつけて、頼られる看護職にならなければいけないと語った。
シンポジウムは「住み慣れた地域で安心して暮らせる社会とは」をテーマに、急性期病院の医療連携室看護師長、訪問看護ステーションの管理者、地域包括支援センター職員、そしてメッセンジャーナースが、それぞれの立場で、望ましい在宅支援を語り、各場所で働く看護職同士の連携の重要性も訴えた。
シンポジウム登壇者は以下の通り(写真右から順に)。
コーディネーター
長内さゆり=社会医療法人同心会古賀総合病院副看護部長・地域医療連携室副室長
シンポジスト
土井晴代=独立行政法人国立病院機構九州医療センター地域医療連携室専任看護師長
井手麻利子=福岡赤十字訪問看護ステーション管理者
丹田智美=北九州市八幡西区役所保健福祉課地域包括支援センター担当係長
田畑千穂子=鹿児島大学病院副看護部長、メッセンジャーナース。